あけびづる 安定確保へ 西和賀 収穫用試験圃場開設

 西和賀町の工芸品の一つ、あけびづる細工の素材を安定的に確保しようと、町と関係団体は11日、同町沢内字貝沢地内につるの収穫を目的としたアケビの試験圃場(ほじょう)を開設した。つる収穫用のアケビ畑は全国的にも珍しく、栽培に合わせて関係者らは成育データを収集。手軽に材料を採取できるにようにし、作り手の負担軽減につなげていく考えだ。

 あけびづる細工は主に同町の若畑老人クラブ長生会の会員によって制作されている。乾燥させたつるを編んでバッグやスリッパ入れを作り、町内の道の駅や産直で販売しているほか、町のふるさと納税の返礼品にもなっている。

 これまで山林などに自生するアケビから素材を採集していたが、会員の高齢化によって確保が困難となっていた。町では超精密金型プレス加工業ベスト(藤原澄夫代表取締役、北上市滑田)の企業版ふるさと納税を活用し、2023年から試験圃場プロジェクトを開始した。

© 岩手日日新聞社