SHIFT UPが上場延期へ―『勝利の女神:NIKKE』頼りの収益体制がリスクと見られたか

SHIFT UPが上場延期へ―『勝利の女神:NIKKE』頼りの収益体制がリスクと見られたか

『Stellar Blade』や『勝利の女神:NIKKE』で知られるSHIFT UPが韓国証券取引所への上場を計画しているものの、いくつかの困難に直面している――と韓国メディア「Insight Korea」等が報じています。

IPOの申し込みを7月上旬に変更

報道によれば、SHIFT UPは株式公開に関する有価証券報告書の訂正版を提出したものの、投資家向けの需要予測の提示を6月3日から6月27日に延期し、IPOの申し込みを7月上旬に変更しました。

これは金融監督院による審査基準を満たしておらず、同院から調整を要請されたことによるものとされていますが、SHIFT UPは「投資家により明確な情報を提供し、IPOに向けた意思決定の時間を増やすため」に自主的に変更を行ったと発表したとのことです。

予想株価は1株あたり4万7,000ウォンから6万ウォン(34ドル~43.5ドル)の範囲で、上場後のShift Upの評価額は3兆4,800億ウォン(25億3,000万ドル)に達する可能性があると見られています。

『NIKKE』頼みの売上がリスクと見なされたか?

また、金融監督院はSHIFT UPの長期的な持続可能性を懸念しているようです。2023年の同社の年間売上高は前年比154.5%増の168.6億ウォン(1億2,500万ドル)ですが、『勝利の女神:NIKKE』の売上が全体の97.58%を占めており、1タイトルの収益に大きく頼る形となっています。専門家の中には、これを大きなリスク要因と見る向きもあるようです。

過去には、『PUBG』が人気を博したKRAFTONが上場したものの、他のヒット作を生み出せずに株価が下落した例もあります。今後、『勝利の女神:NIKKE』以外の収益の柱を作れるかがポイントになりそうです。

さらに『Stellar Blade』はSIE、『勝利の女神:NIKKE』はテンセントの子会社であるLevel Infinite……というように、パブリッシングを他社に頼らねばならないところも懸念点の一つであるようです。

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