中国、領海侵入で最長60日拘束 法施行、日本など周辺国に危機感

南シナ海のアユンギン礁で、フィリピンの補給船に放水する中国艦船=3月(ロイター=共同)

 【北京共同】中国は15日、海警局が中国領海に違法侵入した疑いのある外国人を最長60日間拘束できると定めた法令を施行。中国は沖縄県・尖閣諸島の領有権や南シナ海のほぼ全域の権益を主張。日本やフィリピンなど中国の周辺国では、海警局が一方的な領有権主張に基づいて外国人を拘束することへの危機感が高まっている。

 フィリピンと中国は、中国が主権を主張する南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島にあるアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)を巡り対立が激化。中国海警局はフィリピン船への放水など威圧的行動を繰り返しており、今回の法令を根拠にフィリピン側の関係者を拘束し緊張がエスカレートすることが懸念されている。

 法令は「海警機構行政執行法手続き規定」。16章281条にわたり海上での違法行為の取り締まりや強制措置などの手続きを規定している。

 身柄の拘束に関しては、海警局が中国の出入国管理規則に違反した外国人を30日間拘束でき、複雑な事案なら上級部門の許可を得て最長60日間拘束できると明記した。

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