ひろみちおにいさん(55)が下半身“まひ”に…ある日突然歩けなくなる「脊髄梗塞」とは? 患者「ピストルで撃たれたような痛み」

「ひろみちおにいさん」の愛称で知られ、「体操インストラクター」としても活躍しているタレントの佐藤弘道さん(55)が、「脊髄梗塞」を発症し緊急入院したことを明かしました。

脊髄の血管が詰まることで、突然 起きるという「脊髄梗塞」。13日に発表された書面の中には、「今は全く歩けません」の一文が。

体調を崩す前日まで、リズム体操などの講習会に参加し、元気な様子だったという佐藤さん。なぜ突然、歩くことができない状態になってしまったのでしょうか?

脊髄の病気やケガに詳しい、東京大学医学部の緒方徹教授に話を聞きました。

東京大学医学部附属病院リハビリテーション科 緒方徹教授:
胸の辺りにはひとつ大きな血管があって、脊髄の方に血流を送っているということが
知られています。脳と脊髄をつなぐ神経の太いケーブルのようなものが脊髄ですけども、そこにいく血管が何かの理由で詰まってしまった結果、脊髄が部分的にダメージを受けてしまう。これが「脊髄梗塞」という病態になりますね。
脳から足に向かって信号が伝わるので、例えばこの部分(脊髄の途中部分)で脊髄がダメージを受けてしまうと、ここまでは伝わるけどもここから下には伝わらないと。

損傷を受けた箇所から下の部分に、まひや感覚障害などの症状が出ることが多く、20代や30代などの若い世代でも突然発症する可能性も。

緒方徹教授:
典型的には痛みが先に起きて、それから動かなくなるっていうふうにいわれていますので、初期症状という意味では「痛み」だと思うんですが、今回もそうですけど、数分の間におそらく起きてくるので、あれよあれよという間にという感じだと思いますね。

発症した場合の有効な治療方法はなく、症状を緩和するための対症療法がメインだといいます。

39歳で発症「背中をピストルで撃たれたような痛み」

「めざまし8」が取材したのは22年前、39歳の時に脊髄梗塞を発症したという中林晃子さん(61)。

39歳の時に脊髄梗塞を発症 中林晃子さん(61):
私にとってはNHKの「おかあさんといっしょ」のお兄さんは、ひろみちおにいさん。「脊髄梗塞」ってワードがあったので、私と同じだと…大変だろうなと。

中林さんが発症した当時は、夫と6歳と3歳の息子との4人暮らし。子育てに追われる中で、突然発症したといいます。

中林晃子さん(61):
朝、お弁当を作って幼稚園の子供のバッグに入れて、洗濯機を回そうとしました。
洗濯機の中身がグジャグジャになって、手を入れた時に、「グッ」って背中にピストルで撃たれたような、今までに感じたことのない痛みとか、衝撃が来たんですよ。

洗濯機の中に手を入れた瞬間、激しい痛みに襲われた中林さん。実はこの1カ月ほど前から体に“ある異変”を感じていたといいます。

中林晃子さん(61):
39年間、私は健康体できたんですけど、(発症する)1カ月ぐらい前からなんか足に力が入らない。今思えば、“前兆”っていくつかあったなっていうのはあります。

病院に搬送され、入院することになった中林さん。点滴や投薬を受けながら、7カ月に渡るリハビリ生活を送ったといいます。

中林晃子さん(61):
「あ、もう歩けないな」「立てないな」っていうことを現実にすっと入りましたけども、でも、私はどうしても歩きたかったので。

現在は、週に1回ヘルパーの方に掃除をお願いし、中林さんも料理や洗い物など、できる範囲で家事を行っているといいます。

中林晃子さん(61):
私はこのように車椅子(生活)になっちゃったんですけれども、本当にもう人生の中であり得ないでしょとか思っていたんですけど、なんとかなりますから。
1つ1つ焦らないで、きょうを生きて、あした生きて、あさって生きて、その積み重ね。(佐藤さんには)明るい気持ちで、乗り越えていっていただければなっていうふうに思います
(めざまし8 6 月14日放送)

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