泉さん、共産党を連立に入れてあげないのに選挙で支援してもらうというのは失礼ではないですか

政権に入ることは想定していない

立憲民主党の泉健太代表は13日のニッポン放送の番組で、衆院選後に連立政権を樹立する場合、共産党については「政権に入ることは想定していない」と語った。

立憲は4月の衆院補選で3戦全勝したが、いずれの選挙区でも共産の支援を受けた。立憲と共産は2021年の衆院選で「限定的な閣外協力」を条件に選挙協力を行ったが、立憲は小選挙区では議席を増やしたものの比例区で減らし、全体ではマイナスだった。共産も議席を減らした。

「限定的な閣外協力」とはいえ、共産の政権への「関与」を有権者が嫌ったとみられ、当時の枝野幸男代表は引責辞任し、その後「立共」の選挙協力は下火になった。

今回自民党の政治資金規正法違反事件を受け、立憲は攻勢に転じている。補選で共産の支援を得ての3戦全勝の後、東京都知事選では12日に離党したとはいえ、前身の民進党代表を務めた蓮舫氏が共産党の全面支援を受けると見られている。

蓮舫都政で共産は与党になるのか

蓮舫氏は出馬会見で「自民党政治の延命に手を貸す小池都政をリセットする」と言ったが、蓮舫都政では共産党はどのくらい影響力を及ぼすのか是非聞いてみたい。

SNSでは共産党の支持者と見られる人が「蓮舫都知事になれば共産党は都議会与党になる」と投稿していたが、蓮舫氏は泉氏のように「共産党が政権に入ることは想定していない」のか、こちらも聞きたい。

筆者は立憲の候補者が共産と選挙協力するなと言っているわけではない。選挙協力してもらっといて政権取ったらそこに入れませんというのはおかしいのではないかと言っている。

ちなみに個人的には共産は国政であれ地方であれ与党には入らない方がいいとは思う。天皇制、自衛隊、日米安保など、立憲ともあまりにも考え方に差があるからだ。だから健全野党として政権与党を批判するという役割に徹してもらいたいと思う。

泉氏は「立憲だけでは政権を担えないかもしれない」として、日本維新の会を念頭に「政治改革や教育無償化などでは合意できる。自民党ではない新しい政権を構成しようと呼びかけている」と述べた。だが維新は共産と組んでいる立憲とは絶対に組まないだろう。

立憲の議員は「新55年体制で万年野党でいいなら共産党と選挙協力した方がいい」「でも政権取りに行くなら共産との関係は切れ」と言われ続けてきた。民主党が分裂して保守系議員が自民に移り、さらに野党第2党の維新が勢力を伸ばす中で、どちらかに決めろというのは酷かもしれない。

だが今が政権奪還の千載一遇のチャンスだと思っているのなら決断すべき時ではないか。

© FNNプライムオンライン