JR東海は、2026年度から2028年度にかけて計17編成のN700S新幹線を追加投入すると発表しました。2026年に4編成、2027年に7編成、2028年に6編成を投入する計画で、同社のN700Sは計76編成に。一部編成には、これまで技術開発を行ってきた検測機能を搭載。2027年以降は、先日引退が発表された923形新幹線電気軌道総合試験車、通称 ドクターイエローによる検査を代替・移行します。
923形新幹線 2021年12月25日撮影
新たな検測機能としては、電車線設備の画像を解析して設備の異常を検知する機能や、画像および点群データから軌道材料の状態を詳細に把握できる「軌道材料モニタリング機能」などを搭載します。営業車両でドクターイエローと同等以上のデータを高頻度で取得可能となり、設備の安全性・信頼性が向上。係員が現地で実施している検査業務の一部を代替でき、電気設備・軌道設備に関する保守作業を更に省力化するとのことです。
今回投入するN700Sの特長は以下の通り。
【安全性・安定性の向上、異常時対応能力の強化】
・営業車検測機能の搭載
・飛来物検知機能の搭載
・車両データ伝送機能の強化
・バッテリによる空調稼働機能の追加
【環境負荷の低減】
・環境負荷の低減
・架線電圧を維持する機能の搭載(すでに発表済みの機能)
【整備作業の省力化】
・自動座席転回装置の搭載
なお、既存のN700Sに、今回投入するN700Sの飛来物検知機能の追加、車両デー タ伝送機能の強化等、一部機能を追加する改造工事を実施するとしています。
このほか、今回投入するN700Sには、グリーン車よりも更に上質な設備・サービスを備えるという個室を標準搭載。2026年度以降、既存の一部N700Sにも順次導入します。
N700Sに導入される「個室」
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