若者の車離れが進む中、他の学校との差別化を図ろうと帯広市の自動車学校が始めた「ほめてのばす教習」が人気を集めています。
指導員)
「おお、いい距離感でしたね。ちゃんと歩行者確認しましたね。ばっちりです。成長しました」
帯広市の帯広第一自動車学校。教官がとにかくほめちぎる教習所です。
指導員)
「パーキングにしていただいて。すばらしいです」
若者の車離れが進み「免許だけ取っておきたい」という消極的な教習生が増える中、より運転の楽しさや安全意識を高めてもらおうと去年10月からほめてのばす教習を始めました。
帯広第一自動車学校佐藤元信指導部長)
「『ほめる』は上っ面だけほめるとか甘やかすとか失敗しても何でもほめるではなく『認める』ととらえている」
口コミで人気が広がり、昨年度の生徒数は十勝管内の自動車学校で1位に。職員は全員、ほめる達人=ほめ達検定3級に合格しています。実際の教習の様子を見せてもらうと…
指導員)
「カーブはいいところ走ってる。腕の運びもOK。走行位置はばっちり。曲がって信号を左。いまのところばっちり」
ほめられながら順調に進んでいくと、この日一番の難関が。初めて挑戦するS字クランクです。片方のタイヤがコースからはみ出してしまいましたが…。
指導員)
「でもおしい。おしいよ。すごくおしい。途中までは全然ばっちりだったから。
これはまた今後の練習になっていく。チャレンジ精神がいい。怖がらずにいったのはOK」
失敗しても怒ることなく前向きな言葉で励まします。
教習生)
「新しい道に挑戦してすごい失敗しちゃったけど上出来だよと言ってくださったので心が楽になりました」
帯広第一自動車学校佐藤元信指導部長)
「指摘されると怒られている感じになり、指導員に怒られないようにしようという運転になってしまう。『ほめる』のは自主性を引き出す、主体性を持たせるのにいい」
この教習所、朝礼でいつも決まって行うことがあります。「30秒間ですよーいスタート」
職員)
「話し方がやわらくて全然違う。そこは見習わなければと思います」
お互いをほめあう職員たち。どのように言われるとうれしいか、新たなほめ方の発見にもつながるそうです。
「北海道で唯一のほめちぎる教習所として認定しましたことを証明します」
今月11日、全国で初めてほめちぎる教習所を始めた三重県の自動車学校から、グループ校として認定されました。この栄誉に、社長は。
帯広第一自動車学校内木真紀衣社長)
「何よりも社員のみなさんをほめてあげたい。人を思う気持ちを大切にして事故を起こさない。そういう心を作っていくことが私たちの使命だと思っています」
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