【旅レポ】日本人訪問者が8000人? 時差少なめの穴場的ビーチリゾート、フィジーに初めて行ってきた。直行便のビジネスクラスで美食&快眠の往路!

by 安田 剛

穴場ビーチリゾート、フィジーに行こう! ちなみに画像の場所は今回出てきません、あしからず

海外のビーチリゾートといえば?と尋ねられたとき、どこを思い浮かべるだろうか。日本人的にメジャーなところで言えばハワイ、グアムあたりがトップで、詳しい人ならバリ、モルディブ、セブなんてところも挙げそうだ。

そんななか、ある意味大穴的存在といえるのが「フィジー」。どのくらい大穴なのかと言えば、2023年の日本人訪問者数がわずか7748人というデータを見れば一目瞭然。個人的にも「南の島だよな」なんて、訪日外国人の「フジヤマ、ゲイシャ」に文句を言えない程度の失礼過ぎるイメージしか持っていなかった。

フィジーについてのイントロダクション

さて、とりあえず行くことは決まったものの、海外となればそれなりに下調べも必要。ということで、フィジー政府観光局や駐日フィジー共和国大使館などのページをチェックしてみた。どちらも日本語対応のページ(一部)が用意されているので分かりやすい。深い階層まで行くと英語のページしか用意されていない場合があるものの、ブラウザの翻訳機能を使えば大筋はつかめる。技術の進歩って素晴らしい……。

また、出発直前にフィジー政府観光局とフィジー・エアウェイズによるメディア向けイベント「2024年ジャパンロードショー」が実施されたので、それにも参加しておいた。ほぼフィジーの知識がなかっただけに概要をつかむにはありがたい機会だった。

そんな付け焼き刃で集めた情報をさらりと披露しておくと、フィジーは南半球、南太平洋のほぼ中央に位置する国。すごくおおまかに言うとオーストラリアから東へ、ニュージーランドから北へ線を延ばしたあたりになる。トンガ、サモア、バヌアツ、ニューカレドニアの国々に囲まれているような位置関係だ。面積は四国と同程度の広さで333の島からなり、人口は2007年の調査でおよそ83万人。スポーツではラグビーが人気。といったところで、そのほか旅行に関する基本的な情報は以下にざっくり書いておく。

フィジーの基本情報

日本との時差: 3時間、サマータイム(2024年は11月10日~2025年1月12日)は4時間
ビザ: 不要(4か月以内の滞在に限る)。ただしフィジー入国時から滞在日数に加え6か月以上有効な旅券(パスポート)とフィジーから帰国、もしくは次の渡航国への航空券が必要
通貨: フィジードル(1ドル70円前後)
コンセント形状: Oタイプ
公用語: 英語。そのほかフィジー語、ヒンディー語(インド系移民が多いため)を使用
気候: 熱帯海洋性気候。おおよそ5月から11月が乾期、12月から4月が雨期
気温(年間): 平均最低気温約20℃、平均最高気温約30℃

まあ、いずれにせよパスポートの期限に気をつけておけばそれほど問題はなさそうってことで、事前にOタイプの変換プラグを通販サイトでポチっておいた。大体2000円前後といったところ。ついでに翻訳ソフトもスマホにインストールしておいた。事前にできる準備はこんなところか。ちなみに、観光局の方からは日よけのための上着や帽子、虫除けもあればベターとのアドバイスがあった。

成田からは直行便で南国フィジーへ!

FJ350便の出発ゲート。このときはNADIと書いてなぜナンディと読むのか分からなかった。ちなみに答えは次回以降に

フィジーの玄関口となるビチレブ島のナンディ国際空港へは、フィジー・エアウェイズが成田空港からの直行便を運航している。

現在「ライト」と呼ばれるもっともシンプルなプランで、成田空港~ナンディ国際空港の往復は通年運賃が9万1000円から。

燃油サーチャージは不要だが、ライト運賃は手荷物が機内持ち込みのみ(受託手荷物はオプション)となるプランなので、「ヴァリュー」か、さらに座席指定や受託手荷物が2個までなどになる「コンフォート」、余裕があれば日程変更やキャンセルなども無料で行なえる「プラス」を選んでもよい。なお、飲み物や機内食、機内エンタテイメントはすべてのプランで標準だ。

フィジー・エアウェイズの成田~ナンディ線(~2024年7月30日)

FJ350便: 成田(21時25分)発~ナンディ(翌09時55分)着、火・金曜運航
FJ351便: ナンディ(14時15分)発~成田(19時30分)着、火・金曜運航

フィジー・エアウェイズの成田~ナンディ線(2024年8月2日~)

FJ350便: 成田(16時30分)発~ナンディ(翌04時35分)着、水・土曜運航
FJ351便: ナンディ(23時55分)発~成田(06時10分)着、火・金曜運航

成田便にはエアバス A330-200型機が投入されている。今後置き換えの話も出ているようなので、乗る(撮る)なら今のうちかも

成田~ナンディ線は、7月一杯までは火・土曜の夜出発で翌朝到着のスケジュールとなっており、仕事を終えてからでもゆっくりと余裕を持って間に合う時間。荷物の量を考えて特急を使おうかとも思ったけれど、出発日は祝日だったためか車内には空席がぼちぼちある程度の混雑具合。そのまま普通列車に乗り続けてのんびりと成田空港へと向かった。

今回利用するFJ350便はJAL、ブリティッシュ・エアウェイズ、フィンエアーとのコードシェア便で、出発するのは第2ターミナル。チェックインカウンターはJALが担当しており、アタリマエだが普通に日本語で対応してくれる。といっても、予約番号を見せてチケットを受け取り、荷物を預けるだけなんだけど。このとき、エコノミークラスのチケットをビジネスクラスにアップグレードしていただいた。うむ、幸先よいぞ。

そのほか、空港でやっておくべきことと言えばフィジードルへの両替やイマドキなら通信環境の手配。ただ、19時過ぎという時間的なこともあり、空港にある銀行の窓口はほぼ営業終了している感じ。現地で換えた方がレートがよいという話も聞いていたので、ここではスルーしておく。同じく通信関係に関しても現地でSIMを買えるとのことだったので、何もせず出国審査と税関を経て搭乗口へと向かった。

機内では地元CAさんがお出迎え

搭乗ゲートで出発を待っていたのはエアバス A330-200型機。第2ターミナルのスポットは機体全景が見えないのでちょっと寂しいが、地上係員がキビキビと動き出発準備が進められている。免税店を冷やかしているうちに20時50分を過ぎ、機内への案内が開始された。

機体前方に位置するビジネスクラスは2-2-2配置で4列24席。座席はいわゆるクレイドルタイプで、シートは淡いベージュカラーの革張り。各座席にはフィジーの伝統的な「タパ柄」のクッションとブランケット、アメニティが用意されている。

座ってみるとシートピッチ60インチ、幅21インチはさすがのゆったり感。ポジションは電動で変更することができ、フルフラットまでにはならないものの、かなりラクな姿勢をとることが可能だ。正面にデンと据えられている機内エンタテイメント用モニターは15.4インチで、プログラムには日本語も用意されているのがうれしい。ビデオプログラムは英語だけどね。

CA(客室乗務員)さんとは英語での会話となるものの、日本語を話すことができる「機内通訳」が必ず1名乗っているそうで、機内アナウンスは英語に続いて日本語でも行なわれる。CAさんとマンツーマンで話す機会は食事や飲み物の選択程度しかないけれど、イザというときには安心できる。

ビジネスクラスは2席1組になったクレイドルシート
シートピッチ60インチ、幅21インチでゆったり
目の前に15.4インチのモニター。下部はフタ付きの小物入れが2段になっている
日本語が選べる
フィジーまでは赤道をまたいで約7000km。遠いけど時差が3時間しかないのはうれしい
タパ柄のクッションなどが用意されている
アメニティポーチのなかにはアイマスクや耳栓、靴下など機内を快適に過ごすアイテムが充実。このほかロゴ入のスリッパも用意されていた
シート左側にコンセント
右側にはシート調整用のボタンとエンタテイメントシステム用のリモコン

ほぼ時間どおりにスポットを離れ、誘導路をぐるっと回ってA滑走路から離陸。ナンディ国際空港に向けては、このまま南東方向へ海上をまっすぐおよそ7000km、往路は9時間半ほどのフライトとなる。

出発してから1時間ほど過ぎるとディナータイム。メインは肉と魚から選択でき、腹ぺこおっさんは当然ながら肉をオーダー。見た目にも素晴らしい前菜とボリューム満点の肉料理、デザートまでキレイに平らげると就寝タイム。CAさんがシートポジションを就寝状態に変更するとともにマットとシーツをセットしてくれる。体をシートに預けるとほどなくジェットエンジンのサウンドとわずかな揺れをお供に眠りへと落ちていった。

日本語メニューも用意している
前菜は燻製鴨肉のリエットをチョイス。なかなかのボリュームで、味もとってもグッドでした
メインはビーフショートリブ。ほろほろになるまでしっかりと煮込まれていて美味
デザートはラズベリーレモンタルト。この時間のディナーとしてはボリューム満点

目が覚めると朝焼けの洋上。日本時間では午前3時40分。A330は特に大きく揺れることもなく快適に飛び続けている。空が青さを取り戻すころ、朝食になった。

ここでもメインを選ぶことができたので、南国らしいというだけの理由で「ココナッツ・パンケーキ」をチョイス。ふと時計を見ると日本時間では午前4時30分を過ぎたところ。フィジー時間では7時過ぎ。ちょうどイイ頃合いなのかもと思ったけれど、冷静に考えるとディナーを食べ終えてから、まだ5時間ほどしか経っていない。

彩りも美しいフルーツボウルを食べ終えたあと、運ばれてきたパンケーキを見てそのボリュームにしばし驚きつつ、とはいえ食料をムダにするのは悪と教えられてきた昭和世代。全部美味しくいただきました。

島影1つ見えない太平洋上で朝焼けが機体を染めていく
朝食は前日にメニューからチョイスしておく仕組み
フレッシュフルーツボウル。機内はどうしても乾燥気味になるので瑞々しいフルーツが美味しい
ココナッツ・パンケーキ。写真だと分かりづらいけど4枚あってキャラメリゼされたパイナップルも付く。最後に笑顔のCAさんがダメ押しとばかりにパンを2コ付け加えてくれた

眼下に真っ青な海と珊瑚礁、そして白いビーチの島々が現われるとフィジー到着も間近。ゆっくり寝ることができたため気分もスッキリだ。

入国書類に記入しつつ意外と険しい内陸部の山々を眺めていると着陸態勢になった。定刻より少し早い9時半少し前にナンディ国際空港に到着。空調の効いた機内からボーディングブリッジを通って通路へ出ると、南国らしいむわっとした熱気による歓迎を受ける。温度計がないので正確には分からないが30℃近くはありそうな感じ。

国際線がひっきりなしに発着する大空港ではないため、入国審査待ちの長蛇の列に萎えるなんてこともなく、スムーズに荷物を受け取り到着ロビーへ。制限エリアを出る直前に両替所とボーダフォンの販売店があった。ちなみにこの日の交換レートは手数料を含めて1フィジードル=76.9231円。ちょうど米ドルの半分ぐらいか。

SIMはいくつか用意されているプランから一番安いデータ専用で3GBの「Bula Pack」をチョイス。有効期間は7日間。旅行者向けなので割高ではあるものの、ホテルにはWi-Fiがあるだろうから、とりあえずこのぐらいで十分なハズだ。ついでにSIMの入れ替えから設定までやってくれるのでめんどうもなく安心。で、いよいよフィジーへ入国となるワケだけれど、長くなってきたので以下次回!

珊瑚礁広がる真っ青な海に白い軌跡を描くボートの姿。まさにビーチリゾート。下に見えているリゾートホテルらしき場所はマロロ島のシックス センシズ フィジーのようだ
ナンディ国際空港に到着する直前は意外と山深く牧歌的な感じも。空港そのものは海のすぐ近くにある
ナンディ国際空港に着陸
機長が笑顔で手を振ってくれた
7000km運んでくれたエアバス A330-200型機。なかなかにオシャレな外装だ
購入したSIM。パッケージもフィジーらしさ満点

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