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小学生が被害にあう交通事故は、6月になると増加します。そのワケとは?
伊藤亜衣記者
「札幌市北区あいの里の交差点です。こちらでは今週の月曜日、この横断歩道を渡っていた小学校1年生の男の子が、東方向に向かっていた車にはねられました」
登校中だった小学1年生は、歩行者用の信号が赤の時に、横断歩道を渡ってしまい、乗用車にはねられ、頭を10針縫うけがをしました。
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北海道警によりますと、歩行中に交通事故にあった小学生はここ5年間で371人。そのうち6割の221人が登下校中でした。
新年度が始まって2か月あまり、北海道内では、小学生が巻き込まれる交通事故が相次いでいます。
子どもの事故に詳しい東洋大学 内山有子教授
「6月ぐらいから、(小学生の)交通事故が増えるのは、北海道も含め全国各地で見られる傾向なのではないかと思う」
子どもたちの事故を防ぐ対策を、“もうひとホリ”します。
和久井有紀乃記者
「こちらの道路は片側一車線ですが、車通りは比較的多い印象です」
5月、札幌市豊平区で登校中の小学4年生が被害にあった事故。
押しボタン式の歩行者信号がある交差点で、横断歩道を渡っていたところ、ワゴン車にはねられ死亡しました。
事故現場の近くにいた人
「すごい音がドーンと聞こえたから、瞬間的に後ろを振り向いたら、(道路の)真ん中近くのところに飛ばされてきた。カバンも靴も散乱していた」
ワゴン車を運転していた60代の男は「私がちゃんと信号を確認していなかった」と話していて、持病の薬で、意識がもうろうとしていたと見られています。
実は要注意なのが、この「6月」なんです。
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交通事故にあった小学生の人数は4月、5月はほぼ横バイですが、6月になると急増。特に1年生と2年生の事故が増えています。
その理由について、専門家は…。
子どもの事故に詳しい東洋大学 内山有子教授
「4月から5月GWぐらいまでは、それなりに緊張していたり、通学でも気をつけながら、初めて行く道などは歩いていると思うがやっぱり、GW過ぎ5月末から6月頭ぐらいになると、友人関係もできてきて、ふざけながら楽しみながら、通学する中で友だち同士でちょっとふざけて道路に飛び出してしまったり、そこも特に気をつけてほしい」
さらに、事故の要因となるのが、子どもの「視界の狭さ」です。
JAFがYouTubeで公開している動画です。6歳の子どもが見えている範囲は、大人の3分の2ほどしかありません。
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そのため、横断歩道を渡る時にも、交差点を左折してくる車が視界に入っていない可能性があります。
子どもの事故に詳しい東洋大学 内山有子教授
「友だちに声かけられると“あっ!”と言って、そこで左右を見ずに渡ってしまう…注意力に勝るぐらいの楽しさというか、そういうものに興味を持って動いてしまうのが、子どもの大きな特性の一つなのではないか」
「例えば、近所で大きな工事とかやっていたりすると“何かトラックいっぱい来ていて怖いな…”とか、私たちは思いますが、子どもはその部分ではなく、大きなトラックは、車好きの子どもは、逆に喜んだりするのもあるし。やっぱり、そうすると周りが考えていくしかない」
◆《「小学生の事故、こんな要因も…」》
子どもの視界は驚くほど狭い…その前提で、ドライバーは『子どもからは車が見えていないかも…』と考えて運転することが、交通事故を防ぐために欠かせません。
子どもの事故に詳しい東洋大学の内山教授によると、ほかにも次のような事故の要因があるとしています。
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▼《「くもりや雨の日は視界が狭くなる」》
→子どもは曇りで薄暗い時や、雨で傘をさしているときは、もともと狭い視界が、さらに狭くなります
▼《「大人のマネをする」》
→大人が“ちょっといいだろう…”と信号を無視したり、危険な場所を横断したりすると、それを見た子どもがマネする可能性があります。
そして、子どもの交通事故対策には、次のような取り組みもあります。
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◆《対策「クリアフェンス」》
工事現場の囲いに使われる「クリアフェンス」です。角の部分が透明になっていてフェンスの向こう側が見えるので、近づいてくる人や車に、より早く気付いて、出会いがしらに衝突するのを防ぐことができます。
この会社では、コーナータイプのクリアフェンスを2007年から販売し、ここ数年、売り上げが伸びているということです。
子どもの事故が増えるという6月、子どもも大人も十分に注意しましょう。