2024年問題解消・脱炭素化に向け…コンテナの“鉄道輸送”実験!効果見込まれるも実用化へ課題【新潟】

輸送力不足が懸念される物流の2024年問題や脱炭素化に対応するため北陸地方整備局は6月14日、トラック輸送が主流となっている港へのコンテナ輸送について、鉄道を活用した実証実験を行いました。

【記者リポート】
「新潟東港、本来なら東港まではトラック輸送でコンテナなどを運んだりしますが、きょうは鉄道を活用したコンテナ輸送の実証実験が行われます」

14日、聖籠町の旧藤寄駅で積み卸し作業が行われていたのは、中国の大連へと輸出される新潟市の製紙会社の巻紙を積んだ海上コンテナです。

東港を経由する海上コンテナの多くは、コンテナの集積拠点に直接トラックが輸送していましたが、この日は東港近くの駅まで鉄道を活用する輸送実験が行われました。

この背景にあるのが…

【北陸地方整備局 新潟港湾・空港整備事務所 山川匠 副所長】
「鉄道輸送を行うと、その分、トラックドライバーの負担が減る。それからトレーラーでの輸送になるので二酸化炭素排出量が減る。この2つが大きなメリット」

今年4月にトラックドライバーの時間外労働の上限が設けられ、物流の停滞への懸念が高まっている2024年問題と地球温暖化が深刻化する中で各国が進めている脱炭素化です。

実験では、鉄道輸送にかかる荷物の積み卸しなどを含めた輸送時間やコスト、温室効果ガスの排出量、そしてドライバーの拘束時間の違いをトラック輸送と比較しました。

ドライバーの負担軽減やCO2排出量の削減に効果が見込まれる一方で、実用化に向けては課題も。

【北陸地方整備局 新潟港湾・空港整備事務所 山川匠 副所長】
「(駅が)老朽化しているので、それをどう対応するのか、それからこちらから東港まで約0.8kmあるが、こちらの整備をどのようにするのか」

また鉄道輸送では定時運行ができることから着実に荷物を運べますが、トラック輸送に比べて輸送時間がかかる上、コストも増える見込みで、企業側の負担増加への懸念が残ります。

【北陸地方整備局 新潟港湾・空港整備事務所 山川匠 副所長】
「課題を少しずつ解決して、少しでも皆様の利益に資するような方向性で新潟県とともに検討できれば」

トラックドライバーへの規制が始まって2カ月あまり。制度の変更に伴う試行錯誤が続いています。

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