持ち越しから一転、バレー日本女子代表が迎えた〝静かな〟パリ五輪確定日 背景に複雑な計算式に基づく世界ランク算出 15日以降にセレブレーション実施

13日のカナダ戦でフルセットの末に敗れた古賀紗理那(左)ら日本の選手たち(撮影・中村太一)

日本バレーボール協会は14日、女子日本代表のパリ五輪出場が確定したと発表した。国際バレーボール連盟から通知を受けたもの。北九州市で開催されているネーションズリーグ1次リーグ福岡大会に参戦中のチームはこの日は試合がなく、練習会場で15日のセルビア戦に向けて調整した。ファンと選手の交流が可能なゾーンには移動時に選手が姿を見せるシーンもあったが、持ち越しから一転して、突然の出場権確定発表だったこともあり、大勢のファンが詰めかけるとはいかずに静かな五輪確定日となった。

パリ五輪の出場枠は残り5。日本は福岡大会終了後の17日付世界ランキングでアジア最上位か、出場権を得ていない国の中で上位3チームに入ることが条件だった。日本協会は13日、同リーグのカナダ戦に勝った場合のみ五輪出場が決まると発表した。ところが日本はカナダに2―3で敗れ、その時点では確定は持ち越しとなっていた。

その後、同リーグの他会場でもある香港大会を含めた同日の全試合終了後に国際連盟が再計算を実施。日本が残り2試合に敗れても、世界ランキングによる出場権獲得圏内に入ることが判明したことから、日本側に通知。14日の発表に至った形だ。

思わぬ形での五輪決定となった背景の一つには、国際連盟が独自に定めた計算式に基づき決められる世界ランキングの複雑さがある。従前は各大会ごとの順位に応じて世界ランクを決めるポイントが得られたが、現在のシステムでは1試合ごとにポイントが増減される。

増減の数値が決まるのは、大会当日の全試合が終わり最新の世界ランクが確定した後。今大会のように世界各地で開催される場合は時差もあるほか、算出方法の難しさがあり、出場ししている選手自身ですら、正確な状況を把握しづらい部分もあった。

13日のカナダ戦で勝利して確定した場合は試合後にセレブレーションを行う予定だった。五輪出場が確定したことを受け、福岡大会の残り2試合の15日セルビア戦、16日米国戦のいずれかで、ファンとともに切符獲得を祝う催しが実施される。

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