年金…支給額アップも実質目減り!? 支給額を見た高齢者からは「そんなに恩恵はない」物価高に苦しむ声

「年金支給日」のきょう早速引き出しにいった方もいるのではないか?6月14日振り込まれた4月分・5月分の年金から支給額が【2.7%】引き上げられた!伸び率はバブル期並みの高さとなったが、喜んでばかりもいられないようで…。

「騙されちゃだめよ」福島北警察署の職員などが、なりすまし詐欺に注意を呼びかけた福島市飯坂町の東邦銀行平野支店。多くの人が早速、支給額のアップを確認していたが、それ以上に“物価高”を気にしていた。
年金を受給している人は「2、300円上がったのは(物価高)厳しいけどもこれはしょうがない、何とか年金でやりくりしていくしかない」「(上がったのは)雀の涙くらい。(それでは生活厳しい?)厳しいですね。少ないからね、年金」「上がるのはいいことですけど、その他に介護保険とかが高くなって、結局はそんなに恩恵はないですね、物価高ですしね」などと話していた。

<年金支給額2.7%アップ>
6月支給分から「2.7%」引き上げとなった年金。具体的にどのくらいアップしたのか。厚生労働省によると、自営業を営む人などが加入する国民年金では、68歳以下で満額支給の場合、1ヵ月あたりの支給額は6万8千円で、2023年度よりも1750円増えた。
一方、厚生年金の場合、夫婦二人の標準的な支給額で23万483円となり、2023年度よりも6001円増えている。
物価や賃金の上昇を踏まえた措置で、ともに支給額が引き上げられたが、“実質目減り”とも言われている。

<実質目減りのわけ>
今回の年金額は働いた対価として支払われる「名目賃金」の上昇率をもとに決められている。ただ過去3年間の名目賃金の上昇率が3.1%だったのに対し、年金の引き上げ率は2.7%にとどまった。これは「マクロ経済スライド」という仕組みが発動されたからだ。賃金や物価の上昇率が大きい場合に一定の調整がおこなわれ、将来の現役世代の負担が重くなりすぎないようにする狙いがある。
それでも実際に年金を受け取った方からは、それ以上に”物価高”に苦しむ声が聞かれた。

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