横須賀市 再エネ導入企業や市民に補助 4市1町連携でゼロカーボンへ 横須賀市

三浦半島4市1町(横須賀市・鎌倉市・逗子市・三浦市・葉山町)が連携して、地球温暖化を防止するために脱炭素社会への取り組みを強化する。市民や中小企業を対象に、太陽光発電パネルや蓄電池、LEDの購入補助を行うことで化石燃料の利用を減らしていく。横須賀市が環境省へ申請していた「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」重点対策加速化事業に採択されたことを受け、実施される。

同事業は、自治体が策定する脱炭素の推進に向けた5ヶ年の計画に対して、国が交付金による支援を行うもの。今回の交付総額は、約10・6億円で、うち横須賀市は約6・7億円。他市町は約3・9億円を人口で按分した金額を配分し、横須賀市は2024年度から5年間、他市町は25年度から4年間実施する。市が以前から推進していた、50年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指す取り組みを再生エネルギーの普及で実現する。

補助額の上限は、発電能力1kwにつき市民は7万円、事業者には5万円とし、対象となる企業は中小企業に限定。事業所の所在地などの条件については規定を作成中だ。会期中の6月定例議会で補正予算案が議決されたのち、7月頃から横須賀市が先行して申請の受付を始め、他の自治体も制度設計を急ぐ。

事業者や市民に行った昨年の市のアンケ―トによると、再エネ導入に意欲はあるが、高額なため二の足を踏んでいる実情が判明。補助金があれば導入したいと考えている市民が6割、事業者は3割いることも分かり、市は同事業に着手した。

上地市長が呼び掛け

4市1町は今年5月、二酸化炭素の吸収源となる藻場の再生(ブルーカーボン)や磯焼け対策においても会議体を設置し連携しているが、今回の計画では当初、市単独で国に申請していた。しかし環境省との話し合いの中で三浦半島の市町村が一体で動いていく必要性が浮かび、上地克明市長が各自治体の首長に呼び掛けた。

6月5日に行われた記者会見で上地市長は「地勢的にも共通項が多い三浦半島の自治体と連携する必要がある。課題解決に向け4市1町で全力で取り組んでいく」と協働の意義を力説した。

年間6500トン削減

新たな再エネの導入で見込まれる三浦半島全体の発電能力は約9000kw。5年後には年間約6500トンの二酸化炭素削減を見込んでおり、約1600世帯分の排出量がゼロになるのと同義としている。

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