“定額減税”「一人4万円の支給が良かった?」今さら聞けない“注意点”や“仕組み”…給付じゃない理由は?経済の専門家に聞いてみた

MRO北陸放送をはじめJNN28局のニュースアプリ「NEWSDIG」を深掘りする「ココ掘れ!NEWSDIG」のコーナーです。今回、NEWSDIGの担当が注目したのは、10日に配信した定額減税に関する記事で、MROをはじめJNN各局のNEWSDIGでも多く見られています。

改めておさらいします。

もしかしたら詐欺?…定額減税を騙った電話、メール等は要注意

【対象】
・所得税や住民税を納めている年収が2000万円以下の人(サラリーマン、公的年金の受給者、個人事業主など)

【減税額】
・1人あたり所得税3万円と住民税1万円の合計4万円
・納税している本人に加え、同じ家計の配偶者、扶養に入っている親族も対象

【注意点】
定額減税について市役所などから還付や口座に関する連絡が来ることはありません。このような電話は詐欺を疑って下さい。

市役所「システム改修に大変苦慮した」…それでも“減税”のワケ

基本的には新生や手続きは不要ですが、給付金制度より仕組みが複雑に感じる人も少なくないようです。番組でも「これだったら、国民に一律4万円を配った方が早いのではないかと思ったりもする」といった声が聞かれました。

そこでNEWSDIG班は、経済学が専門で金沢学院大学経済学部・学部長の豊田欽吾教授に話を聞きました。給付ではなく減税になった理由についてポイントは2つあります。「作業する自治体の負担軽減」と「国民へのアピール」です。自治体への負担が大きい給付金を避けながら、制度を変える税制改正に着手したことで国民への存在感を示したい思惑が見えると話します。

しかし、自治体に取材すると「税務システムの改修に大変苦慮した」といった声が聞かれます。金沢市市民税課の川崎徹課長は「制度内容が複雑であることに加えて、システムの改修期間が極めて短い時間で改修することが大変だった。複雑な計算をした結果を検証する作業に大変時間を要した」と話していました。

国税(国が徴収する)の所得税だけでなく、地方税(自治体が徴収する)住民税も対象としたことで、結果、自治体の事務作業が煩雑となり負担軽減とはならなかったといえます。

減税であれ、支給であれ、最終的には消費に結びつけばいいのですが…。

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