南陽市・秋葉山火災 山林の再生に向け対策会議

先月、南陽市の秋葉山で発生した大規模な山林火災は、県内では過去最大規模のものとなった。火災を受け焼失した山林の再生や土砂災害への対策について話し合う会議が開かれた。

先月4日、南陽市宮内の秋葉山で発生した火災は、9日間にわたって燃え続け、約137ヘクタールが焼失する県内では過去最大規模の山林火災となった。

(リポート)
「山の中腹まで入ってきますと、木や葉っぱが焼けてしまった様子が非常に痛々しく映ります。そして、焼けてしまった山荘です。火事の悲惨さを物語るように当時の状態のほぼそのままで残されています」

この火災では、初期消火に当たった70代の男性がやけどをしたほか山小屋2棟と公衆トイレ・ソーラー設備が焼けたが、現在も山小屋周辺のがれきの撤去などは進んでいない。
森林が焼失した場所は景観が損なわれただけでなく、土砂災害が発生する危険性も高まるとして、山林の再生は喫緊の課題となっている。

(リポート)
「山頂へと続く登山道ですが、ご覧のように一面真っ黒に焼け焦げています。再生までどれほどの年月がかかるのか、ここでは想像ができません」

こうした中、南陽市と国や県が連携して山林の再生について検討する「秋葉山再生連絡会議」の初めての会合が開かれた。
会議では、現地調査の結果、焼失した場所で土砂が流出する可能性は低いとする報告や、少なくとも来年の春までは土壌や森林の状況を確認し、その後の対応策を検討すべきといった意見が出された。

また南陽市によると、焼失した土地の地権者が県の内外に計78人いることや、地権者へのアンケートで「個人での再生は難しい」とする回答が寄せられていることが報告され、今後地権者や地元住民の理解を得ながら、中・長期的な視点で再生に向かう方針だという。

(南陽市・白岩孝夫市長)
「あれだけ大きな面積なので、できるだけ自然の回復力に期待して、どうしてもできないところを地域の皆さんとともにやっていかなければならない」

南陽市によると、今後は月に1回程度、実務者レベルでの会議を行う予定だという。

© さくらんぼテレビ