『菊池事件』再審請求で法学者を証人尋問へ 弁護団「大きな一歩」【熊本】

ハンセン病元患者の男性が隔離先の特別法廷で裁かれ、死刑となった『菊池事件』の再審請求をめぐり、弁護団が申請した法学者の証人尋問を行うことが事実上決定しました。

証人尋問は再審開始に向けた重要な判断材料になるとみられ、弁護団は「大きな一歩」と評価しました。

14日の熊本地裁。菊池事件の弁護団は再審開始を求める署名を手に、3者協議へと向かいました。

『菊池事件』は殺人などの罪に問われたハンセン病元患者の男性が菊池恵楓園などに設置された「特別法廷」で裁かれ、死刑となったものです。

この事件を巡っては2020年、「特別法廷での審理は憲法違反」とする熊本地裁判決が確定し、男性の遺族が熊本地裁に『再審』、裁判のやり直しを請求。

弁護団は去年12月、「当時の刑事裁判手続きの憲法違反が再審の理由になる」とする九州大学の内田 博文 名誉教授の意見書を熊本地裁に提出していて、内田名誉教授の証人尋問を地裁が行うかどうかがポイントとなっていました。

弁護団によりますと、熊本地裁は14日の協議で、証人尋問を行うことを事実上決定したということです。

証人尋問は再審開始に向けた重要な判断材料になるとみられ、弁護団は「大きな一歩」と評価しました。

【弁護団 徳田 靖之 共同代表】
「おそらく憲法的再審事由が認められるかどうかを専門家に聞くのは、日本の裁判史上初めてのことになると思う」

証人尋問の期日について8月から10月の間で今後調整が行われるということです。

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