陸自小銃発射事件から1年 元同僚「まだ受け止めきれない」 隊員悼む 岐阜市

亡くなった隊員を悼む元同僚の黒木健奨さん=14日、岐阜市日野南、日野基本射撃場

  岐阜市にある陸上自衛隊の日野基本射撃場で隊員3人が小銃で撃たれ死傷した事件は14日、発生から1年を迎えました。事件現場周辺では、元同僚らが亡くなった隊員を悼みました。

  この事件は、元自衛官候補生の渡辺直杜被告(19)が日野基本射撃場で射撃訓練中に小銃を発射し、菊松安親陸曹長と八代航佑2等陸曹が死亡、別の弾薬係の3等陸曹が重傷を負いました。

  事件が発生した時刻は、去年の午前9時10分。事件現場の日野基本射撃場の前では、近隣住民らが献花に訪れ、黙とうを捧げました。

◆元同僚「事件を受け止め切れていない」

  亡くなった八代さんと同部屋で、事件の前日まで言葉を交わしたという元同僚の黒木健奨さん。

※元同僚の黒木健奨さん
  「先輩が1年前に亡くなったので、現場にきました。航佑さんも菊松さんもとても優しくていい方だったので、ショックは大きいです」(Q.事件を受け止められていますか?)「まだ受け止められていなくて、航佑さんは部屋にいる時にゲームしていたので、今もどこかでゲームしているのではないかな」

  一方、愛知県にある守山駐屯地では、遺族らも参列して追悼式が非公開で行われました。

写真提供:陸上自衛隊第10師団

  出席した陸自第10師団長の酒井秀典陸将は「射撃訓練による死傷事案は、武器の許可を許されている組織として絶対にあってはならない。自衛官としてあるべき姿についてさらなる徹底を図る」とコメントしました。

  事件発生から1年。渡辺被告は銃や弾薬を奪おうとしましたが、詳しい動機は不明のままです。

  現在、証拠を絞り込む公判前整理手続きは開かれておらず、公判日程も見通しが立っていません。

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