謙虚な姿勢を貫くコマンダースの新人QBダニエルズ、「まだスターQBじゃない」

ワシントン・コマンダースのジェイデン・ダニエルズ【NFL】

大学時代にハイズマントロフィーを獲得し、2024年NFLドラフトで全体2位指名を受けたクオーターバック(QB)ジェイデン・ダニエルズは、スタークオーターバックではない。

少なくとも“まだ”そうではない。本人に聞けば、そう答えるだろう。

ワシントン・コマンダースのQBダニエルズは現地12日(水)にワシントンD.C.マーケットの場で、スターになるのはどんな感じかと聞かれると、すかさず謙虚な姿勢を見せていた。

コマンダースの公式記録によると、ダニエルズは「まだスタークオーターバックじゃないよ。まだまだこれからだし、俺はルーキーだからね。それが答えさ」と話したという。

とはいえ、ダニエルズはすでにスター扱いを受けている。最近では、アメリカ男子サッカー代表の試合に招待されたり、MLBのワシントン・ナショナルズの試合で始球式に登場したりしていた。

ルイジアナ州立大学(LSU)出身のダニエルズはこうした体験を楽しんでいるが、それに浮かれるような様子は一切見せていない。

ダニエルズは「始球式でボールを投げるのは初めてだったし、サッカーの試合を観戦しに行くのも、雰囲気を味わって、他のスポーツを見たりするのも初めてだった」と語り、こう続けた。

「新しい街に来て、新しいコミュニティに加わって、彼らを応援して、愛情を示すことができるのは素晴らしいことだと思う。シーズンが始まったら、ナショナルズの選手たちやサッカーアメリカ代表の選手たちが俺たちの試合を観に来てくれるかもしれないし、そうやってお互いに応援し合えたらいいよね」

コマンダースの将来のフランチャイズクオーターバックとして期待されているダニエルズは、自身の言葉と行動でその期待に応える準備ができていることを示しつつも、決しておごることはない。

そのため、ダニエルズと、同じくルーキーであるワイドレシーバー(WR)ルーク・マカフリーは、午前5時45分頃から早朝練習を行い、1日の中でできる限りの準備をしている。

ダニエルズは「朝5時45分頃にここに来て、屋内の練習場でウオークスルーをしたり、ビデオを見たりしている。1日の準備をするためなんだ。これは大学時代のルーティンに似ているけれど、今はプレーブックを学んで全部を把握しようとしているから、実際にウオークスルーをしているんだ。1日を快適に過ごせるようにして、練習に出て競い合う準備を整えているのさ」とコメント。

コマンダースでは2018年以降、少なくとも1試合に先発したクオーターバックが12人もいるという、絶え間ないクオーターバックの入れ替わりが続いている。

その状況を終わらせる役割を期待されているダニエルズだが、今は自分の立場をしっかりと受け止め、地道な努力を積み重ねている。その間、コマンダースの長年空いているフランチャイズQBの役割を果たすことへのプレッシャーは特に感じていないダニエルズは、次のようにつけ加えた。

「俺はただここで自分の仕事をしているだけだ。毎日、どうやったらもっとチームをよくできるか、そういったことに集中している。毎日のように学び続けて、ここで競い合って、楽しむことに集中しているんだ。そのエネルギーや喜び、競争心をチームにもたらすことが大事で、DQ(ダン・クイン、ヘッドコーチ/HC)たちもいつもそれを強調している。俺たちはすべての活動で競争することを目指しているのさ。だから、俺はここに来て、ただひたすら自分の仕事をしようとしているし、それはオフェンス側の11人を同じ方向に向かわせることなんだ」

【KO】

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