米最高裁、銃連射装置禁止は無効 規制団体反発、大統領選の争点

銃に取り付けて連射を可能にする特殊装置「バンプ・ストック」(右)=2017年10月、米ユタ州の銃販売店(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】米連邦最高裁は14日、銃に取り付けて連射を可能にする特殊装置「バンプ・ストック」の使用や所持を禁止したトランプ前政権の措置について、連邦法から逸脱しているとして無効と判断した。装置の使用が銃暴力の犠牲者増加を招き、銃規制団体が反発している。銃規制の是非は大統領選で争点の一つ。

 判事9人のうち保守派6人による多数派意見だった。銃規制を推進する民主党のバイデン氏陣営は、共和党のトランプ前政権下で保守化した最高裁が「子どもの安全よりも銃ロビーを重視した」と批判。銃規制団体も「破滅的な判断だ。米社会に戦争のための武器が出回るようなことがあってはならない」と非難した。

 前政権はバンプ・ストックを「マシンガン」の定義に含めると規定を改め、所有者は破壊するか当局に持ち込まなければならないとした。保守派のトーマス判事は「マシンガンではないと結論付けた」とした。

 トランプ氏は銃所有の権利を擁護しているが、2017年に西部ラスベガスで60人が死亡した米史上最悪の銃乱射事件を受け、19年3月に禁止した。

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