阪神・岡田監督あきれる「ミスばっかりや。点なんか入るわけないねん」今季9度目の完封負け、2年連続交流戦負け越し

 9回、厳しい戦況を見つめる岡田監督(撮影・田中太一)

 「ソフトバンク2-0阪神」(14日、みずほペイペイドーム)

 阪神は14三振を喫して今季9度目の完封負け。拙攻の連続で、3試合を残して2年連続の交流戦負け越しが決まった。岡田彰布監督(66)は、攻撃面でのミスに関してあきれ顔。球団7年ぶりとなる屈辱の“セ界独り負け”で、首位・広島とは3差に広がり、最下位・ヤクルトには3.5差に迫られる結果となった。

 走者が塁上をにぎやかすが、本塁だけが遠かった。完封負けは今季9度目。今週だけで3度目を数え、3試合を残して2年連続の交流戦負け越しが決まった。「ミスばっかりや。自分らで(チャンスを)つぶしてしもうてるわけやからな。点なんか入るわけないねん」。岡田監督は、半ばあきれ顔で試合を振り返った。

 六回までに5度、得点圏に走者を進め、モイネロを攻め立てたが“あと一本”が出ない。初回2死から1軍に昇格したばかりのノイジーが左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、近本の内野安打で一、三塁と先制機を広げたが、原口が無念の空振り三振に倒れた。

 岡田監督も積極的に動いた。四回は1死から原口が四球を選ぶと、続く渡辺の3球目にヒットエンドランを仕掛けた。これが暴投を誘い得点圏に進んだが、後続が倒れ無得点に終わった。2点を追う六回には1死から近本が中前打で出塁し、続く原口の4球目で二盗を決めた。左翼席に陣取る虎党のボルテージは一気に上がったが、原口、渡辺が連続三振を喫した。

 指揮官がやり玉に挙げたのは八回1死一塁の場面だった。打者ノイジーでフルカウントからの7球目。一走・中野がスタートを切ったが、松本裕の直球をあえなく空振り。盗塁死も重なり、一瞬でチャンスがついえた。

 「真っすぐ当たらへんねんもん。しゃあない。(カウント)3-2からランエンドヒットで、ストライク来ましたで、真っすぐを空振りするんやから。何にもできひんやんか。走らすこともできひんやん、それやったら」。怒りを通り越し、あきれたように薄ら笑いを浮かべるしかなかった。

 ベンチから采配を振るうも、グラウンドでは拙攻が繰り返される。「勝手に打ちよんねんもん。知らんよ、俺も。ベンチでサイン出しても何にもならへん」。笛吹けど踊らぬ選手たちにいら立ちを隠せなかった。

 九回は無死一塁から代打3連発を繰り出したが、最後は佐藤輝がこの試合14個目の三振を喫して試合は終わった。先制された試合は9連敗。さらに屈辱の7年ぶりのセ・リーグ“独り負け”で、首位・広島とは3差に広がり、最下位・ヤクルトには3.5差に迫られた。これ以上の後退は許されない。

 ◆1試合2桁三振は今季13度目 阪神の1試合2桁三振は今季13度目で広島の14度に次いでセ・リーグワースト2位。なお、阪神の今季交流戦での2桁三振はこの日で3度目となった。

 ◆セ界独り負け… セ・リーグ球団で阪神がこの日唯一の敗戦となってしまった。交流戦での阪神の“独り負け”は2017年6月17日以来。第1次岡田政権では06年6月4日と07年6月11日に記録している。

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