日本がパリ切符を獲得した裏で…五輪“ラスト1枠”を懸けたオランダvsカナダの『天国と地獄』を捉えた珠玉写真【ネーションズリーグ】

残酷なほど、勝者と敗者がくっきり分かれた。

6月14日、女子バレーボールのネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド第3週・福岡大会は北九州市の西日本総合展示場で行なわれ、パリ切符を争う世界ランク9位のオランダと同10位のカナダが直接対決し、オランダが3-0(26-24、25-16、25-23)のストレート勝利を収め、9.84ポイントを加算。事実上、オリンピックの出場権をほぼ手中に収めた。

五輪のバレーボール女子の出場枠「12」のうち、すでに7か国(開催国のフランス、アメリカ、トルコ、ブラジル、セルビア、ポーランド、ドミニカ共和国)の出場が確定済み。今大会で残る5つの出場枠には、予選ラウンド終了時の6月17日付の世界ランクで決まるが、両チームの試合前まで、すでにポイント計算でイタリア、中国、日本など11枠が埋まり、残りの椅子はたったのひとつ。オランダとカナダの一騎打ちとなっていた。

試合は序盤から、両チーム闘志剝き出しの戦いとなった。オランダは21歳のアウトサイドヒッター、ジョリーン・クノレマがチーム最多15得点で攻撃をけん引。一方、カナダは日本戦で大逆転勝利の立役者となったキアラ・バンライクとアレクサ・グレイの二枚看板がともに17得点の活躍を見せるなど、激しい打ち合いの展開になる。だがオランダは、ミドルブロッカーのジュリエット・ローイスが4本のブロックポイントを挙げるなど、カナダの強打をここぞの場面でシャットアウト。最後はキャプテンのニカ・ダールデロップが決め、オランダが絶対に負けられない一戦を制した。
大会公式サイトは「今週、福岡で行なわれたVNL最大のビッグマッチ」と銘打った試合だと振り返り、オランダがカナダをストレート完封した結果を「パリオリンピックへの最後の切符を争ったレースだった」と、その激闘を伝えた。

試合直後にはコート中央で歓喜の輪を作り絶叫のような雄叫びを上げたオランダと、コート脇で顔を覆い、涙を流しながら肩を寄せ合うカナダの表情をTHE DIGESTのカメラがシャッターを切り、「天国と地獄」の瞬間をキャッチ。五輪に懸ける白熱した好試合だった。

構成●THE DIGEST編集部

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