「ネットの声にダメージ受けない」鈴木福 芸歴19年目で語る“有名税”との向き合い方

(ヘアメイク:堀川知佳 / スタイリスト:作山直紀)

「俳優業と学業を両立させるため、時間を有効利用するようにしていますね。移動時間に仕事のやり取りも大学のことも、やれることはやって。仕事で得たものを学業で活かして、学業で得たものを仕事に活かす。そのことが、僕にとって一番の力になると思います」

こう語るのは、俳優の鈴木福(19)。6月17日、20歳になる鈴木は現役の大学生。そのいっぽうで、すでに芸歴19年目という超ベテラン俳優だ。

鈴木は‘06年に若干1歳で子役デビューし、’11年のドラマ『マルモのおきて』(フジテレビ系)で大ブレイク。’17年の朝ドラ『わろてんか』(NHK総合)など話題作に次々と出演し、昨年からは朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)の木曜レギュラーとなり活躍の幅を広げている。

「子役時代からお仕事は楽しくて、だから今も続けられているんだろうなと思います。子供の頃は人と会うことが仕事のモチベーションで、現場の人たちと話せたり遊んでもらえたり、そういうのがすごく楽しくて。

中学生の時に仕事に対するモチベーションが下がったことがありました。でも、それは当時野球部で『もっと野球をやりたい。でも、仕事もやらなきゃ』という葛藤で。基本的に、仕事を辞めたいと思ったことはないんですよ」

『マルモのおきて』が放映されたのは’11年。その3年前にTwitterが日本でリリースされており、鈴木のブレイクはTwitter草創期と重なっている。そのため、ネットの声に晒されることもあった。ときに著名人に対する心無い声は“有名税”ともいわれるが、そういった声とどのように向き合ってきたのだろうか。

「ネットの声はよく見ますよ。ただ、ネットの声にダメージを受けることってそんなにないんですよね。気にならないっていうのとは、ちょっと違うんですけど。本当の僕のことを知っている人から言われたら『そっか』ってなるんですけど、そうでもない人に言われても。ある程度、わかっていることしか言ってこないから、ネットに書いてる人たちって。自覚していることを言われても、『そりゃ、そう思うよな』と。

あと自分が発信したり発言したりした、その一部だけを取って感想を書いている人って、結局わかってないじゃないですか。『まただ』とは思いますけど、わかってない人たちに対して怒っても仕方がないから。傷ついたことも全然ないし、『わかってねえな。今に見てろよ』って思います(笑)」

■「早くここまで上がって来いよ」妹・夢に辛口エール

そんな鈴木をこれまで支えてきたのは両親だ。「子役時代は台本を覚えるのを手伝ってくれたり、現場への送り迎えをしてくれたり。今でも大きな支えになっています」と鈴木は語る。

また近頃は、妹の夢(17)も注目を集める存在。俳優だけでなくダンスボーカルユニット「PINK PRETZEL」のメンバーとしても活動する最愛の妹のことを芸能界の先輩として、どう思っているのだろうか。

「それこそ心無いことを言う人たちもいっぱいいると思うし、でもそれにめげないでほしいなと思いますね。『鈴木福の妹だから』っていうので注目してもらえている部分もあると思うし、それを逆に上手く使って、頑張って輝いてもらえたらいいなと思います。

まぁ、『早くここまで上がって来いよ』っていうか(笑)。『今で満足するなよ』とも思いますね。満足してないと思うけど。本人にも直接言いますよ、『自分は頑張っているって思っているかもしれないけど、足りないよ』って。『わかっている』とか『だけど』とか言われるんですけど(笑)。でも、本人なりに頑張ったらいいし。日々精進、努力して頑張れって感じですね」

20歳の誕生日当日に、『鈴木福 フォトエッセイ 笑う門には福来る』を出版する鈴木。本作は約3万字にわたって鈴木の思い出や考えが綴られており、両親や’11年のドラマ『妖怪人間ベム』(日本テレビ系)で共演したKAT-TUNの亀梨和也(38)との対談も収められている。

「20年って、あっという間だなって。エッセイを通して20年間の色々を伝えることができましたし、自分のことを知ってもらえる一冊になりました。テレビに出演したりすることが自分の“名刺”で、エッセイはもう少し先のやり取りというのかな。僕の表面だけではない部分をより深く知ってもらうための本になったと思います」

濃密な人生経験を活かして、鈴木はさらなる成長を遂げていく!

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