SixTONES 田中樹、ラップ作詞に向ける情熱 常日頃から腕を磨くストイックな一面

SixTONESの田中樹が、KAT-TUN 亀梨和也のYouTubeチャンネルに登場。「【作詞】SixTONES田中樹とオリジナルラップ作りをしたらまさかの方向になってしまいました。」というタイトルの動画内で、亀梨に田中がラップの極意について教える姿が話題となっている。

振り返れば、ジュニア時代からラップパートを多く担当し、その積み重ねもあって、今や事務所1の知識量とも言われている田中。本稿では、動画内で見られた田中のすごみに改めてフォーカスするとともに、彼の手がけてきた楽曲を紹介したい。

もともと高校生の頃からラップについての勉強を始めたという田中。改めてHIPHOPの楽曲を聴いていくうちに、気づいたら勉強ではなく好きになっていったのが始まりなのだそう。

また、普段からラップのことを考えているという田中は、スマートフォンのメモ帳機能にラップ詞になりうる要素や、いいなと思った韻を書き溜めたり、四六時中韻について考えているというストイックな一面も。田中がHIPHOPジャンルを高くリスペクトしていること、常日頃から自身の特技を研磨しようとしている一面を改めて感じられた。

動画内では、そんな田中が亀梨にラップの極意を伝授。まずは初級編として韻の作り方を紹介するのだが、その教えている姿が非常に楽しそうなのが印象的だ。韻の踏み方を教えつつも「心地がよいことと、自分が思っていることと伝えたいことをリリックに起こして、それに気持ちを乗せて歌うことがHIPHOP」と明言。作詞することへのハードルをグッと下げることで、多くの人がHIPHOPに興味を持つような教え方をしている姿が見て取れた。

動画内では、最終的にビートに乗せてオリジナルラップを作った亀梨と田中。歌詞を書きながら亀梨は「若い頃メンバーと集まって、こういうことばかりやってたもん」と発言。すっかりラップの楽しさを身をもって体感しており、田中の教える側としての強みを感じさせた。

前述の通り田中は、デビュー前からこれまでに多くのラップ詞を担当。

2020年に『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)のコラボ企画として、SixTONESの楽曲「NAVIGATOR」に合わせて当時同番組が放送されていた放送局34局ネットで放送するCMの「ご当地番宣ラップ」を作っていた姿が印象深い。34局分のラップをそのご当地の要素を入れつつ作詞するというもので、リスナーや静岡出身の松村北斗から情報をもらいながら1カ月足らずで作り上げていた。他の仕事も多数あるなか、CDデビューして1年足らずのSixTONESをまだ知らない人にも届くラジオCMの存在をチャンスと捉え、長時間スタジオにこもってストイックにレコーディングを重ねていた姿は、彼のラップへの強いこだわりを感じることができる。

楽曲から、田中のラップの魅力が伝わる曲を一つあげるとすれば、2023年8月に発売されたシングル『CREAK』の初回盤Bに収録されている田中のソロ曲「Sorry」を推したい。ここで田中はメロウな雰囲気で始まるR&Bサウンドに挑戦。一筋縄ではいかない恋における不甲斐なさを表現した曲を、歌唱パートとラップパートで緩急つけながら心地よさそうに歌唱する声は非常に耳触りが良い。

日本だけでなく海外のHIPHOP楽曲もこよなく愛し、常にその魅力や奥深さに触れてきた田中は、事務所内と限らずとも、かなり高い知識レベルを誇っている。今後、今回のようなレクチャーを後輩たちにもどんどん伝授していくのではないかと期待すると同時に、彼が生み出すリリックを一つでも多く聴けることを願いたい。

(文=於ありさ)

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