今季加入した大分トリニータU－18出身の３選手が先発出場した。12日に行われた天皇杯３回戦の鹿児島ユナイテッドFC戦で、松岡颯人、木許太賀、小野俊輔の３選手がピッチに立ち、勝利に貢献した。片野坂知宏監督は「自分の良さを出し、躍動感があった。この試合で得た経験を成長につなげてほしい」と期待する。
木許は右のサイドハーフ、小野は右サイドバックで出場。同サイドで縦関係に配置された二人は、大分U－15から一緒にプレーしたコンビネーションを発揮し、高い位置を保ち攻撃を組み立てた。「思ったより緊張せずにプレーできた」と小野。本来のセンターバックとは異なるポジションであったが、落ち着いてプレーし、１対１の場面ではしっかり守備対応した。
持ち味の突破力を発揮した木許は決定機に絡んだ。試合終了間際に訪れたビッグチャンスでは、「相手が寄せてくるのが見えたので（中央に）切り返し、シュートまで完璧だった」。イメージ通りのシュートは相手GKの手の届かないところを狙ったが、カバーに入ったDFに弾き返された。「あのシュートが決まっていれば」と悔やんだが見せ場をつくった。
19節のリーグ戦に続き、中２日での試合出場となった松岡は、中盤の底で周囲の選手とのバランスを保ちながら試合をコントロールした。持ち味の運動量をアピール。攻守でピッチを走り回り、パスを引き出し、テンポのいい配球で試合のリズムを生み出した。
それぞれ持ち味を発揮し、リーグ戦に向けて自信を深めた。チームを支える主力にけが人が続出し、新たな戦力の躍動や若手の台頭が求められる。虎視眈々（たんたん）と出番を待つ３人の存在が、戦力を底上げする。片野坂監督は「全員が戦力。リーグ戦はもう一段階レベルが上がるが、しっかりアピールしてほしい」と話す。松岡、木許、小野のニューパワーがチームに活力を与える。
＊写真は全て大分トリニータの提供
（柚野真也）
