梅雨空より青いかも! 空色「アジサイ」が山肌を埋めつくす「一度は見たい絶景」現地レポ

空が映ったかのような、山一面の青いアジサイ(撮影:村澤彩代)

梅雨の時期は憂鬱な気分になるものだが、そんな時期に美しく咲くのがアジサイ。徳島県佐那河内村(さなごうちそん)の標高約1,020mにある大川原高原には、6月中旬から7月中旬頃になると3万本のアジサイが咲き誇る。

山一面に紫や青のアジサイが彩り、アジサイの花畑の中を散策できる。圧巻の風車が並び、アジサイとのコラボレーションが絵になる映えスポットだ。

■空色の3万本のアジサイ

大川原高原は、徳島県庁から車で約1時間ほどの場所に位置し、夏でも涼しい避暑地。夜景も美しく、天体観測などで多くの人が訪れる。

そんな大川原高原が一番見頃となるのが、アジサイが咲く梅雨時期。広い高原をアジサイが青く染めあげ、県内外多くの人が訪れる。アジサイは土壌の酸性度によって花の色が決まる特性があり、酸性度が高い大川原高原では青になりやすいのだとか。

青の中にも紫やピンクなど、少しずつ異なる色を楽しみながら散策できる。

道路沿いを歩いて散策することができるが、花畑の中も通れるようになっている。1人しか通れない場所もあるが、たくさんのアジサイを間近に感じられる。

■アジサイと風車のコラボレーション

アジサイと一緒に風車が見えるのもこのスポットの魅力。風力発電用の風車が15基あり、風車とアジサイのコントラストが美しい。

標高が高いため7月でも比較的涼しかったが、晴れていると遮るものがないので紫外線対策はしておいたほうがよさそうだ。

風車を真下から見あげることができ、なかなかの迫力。この日は風があり、落ちてこないか心配になるほどよく風車が回っていた。

アジサイの花畑を登っていくと「おじゃん」という鐘があり、鳴らすと静かな山間に鐘の音が響く。

天気がよければ、アジサイと一緒に徳島市を一望できる。空気も澄んでいて気持ちがよい。

天体望遠鏡を設置しているヒルトップハウスの横を通り過ぎると村営の大川原牧場があり、牛が放牧されている。間近で牛を見られ、子ども連れも楽しめる。

毎年7月初旬に開催される「あじさい祭り」には、多くの人が賑わう。地元のものをいただけるブースもあり、新鮮な野菜や物産品などが販売されているのでお土産にもおすすめ。ステージイベントなどもあり、阿波踊りも楽しめる。

■青いアジサイを雨の日の思い出に

筆者が訪れた日はあいにくの天気だったが、それでも雨に濡れたアジサイは「雨の日に来てよかった」と思えるほど美しかった。山道を登っていくと風景が変わり、景色を楽しめるのも大原高原の魅力。標高が高く涼しいので、梅雨のジメジメした気分を吹き飛ばすのにもぴったりのスポットだ。徳島の中心部から1時間ほどの場所なので、観光を兼ねて高原いっぱいのアジサイに会いに来てみてほしい。

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