楽天・早川 10回無失点の好投も報われず クールな印象激変 マウンドで何度も雄たけび

 広島打線を相手に力投する早川(撮影・佐藤厚)

 「楽天0-1広島」(14日、楽天モバイルパーク)

 楽天・早川隆久投手は、自己最長10回を投げて11奪三振4安打無失点の熱投。勝ちこそつかなかったが、見事な投球を見せた。「全体的にバランスよく投げられた。いい感じにピッチングのマネジメントができた」と充実の表情で振り返った。

 クールな男が何度もほえた。序盤は完璧な投球で封じ込めていた中、六回にこの試合初めて得点圏に走者を背負った。それでも秋山、矢野を連続三振に仕留め、気迫を前面に出した。その後も左腕は要所で三振を奪うたびに、声を上げ続けた。

 今季は長いイニングを投げることと勝ちへの執念がより高まっている。3月の開幕戦で八回途中まで好投するも1点に泣き、同学年の西武・今井に負けた。「負けたくなかったから行かせてくださいと志願(プロで2度目)した。勝ちに対しての貪欲さが出てきたかな」とライバルとの投げ合いで、気持ちの変化を感じていた。

 すると5月3日のロッテ戦(楽天モバイル)では今季初完投。その後も長いイニングマウンドに立ち続けている。この日の十回は志願ではなかったが「ここぞって時に志願はしたい。今後もプランニングしてできればいいなと思う」。今季は勝負所では誰にもマウンドを譲らない覚悟で臨んでいる。

© 株式会社神戸新聞社