聖光、青森山田にサヨナラで涙 春季高校野球東北大会

【青森山田―聖光学院】先発し、9回途中を2失点に抑えた聖光学院の高野=仙台市民球場

 第71回春季東北地区高校野球大会は14日、石巻市民球場(宮城県石巻市)と仙台市民球場(仙台市)で1回戦6試合が行われ本県第1代表の聖光学院は1―2で青森山田(青森第2代表)にサヨナラ負けした。

 【評】聖光学院は四死球が響き、サヨナラ負け。先発高野は、直球主体でリズム良く投げたが、1―0の5回、四球で走者を背負い、適時打で追い付かれた。九回には1死二、三塁のピンチを招いて、犠飛で勝ち越された。打線は五回に佐藤の適時打で先制したが、6回以降は相手投手を打ちあぐね、三塁を踏めなかった。
(熊田紗妃)

 高野、青森山田に真っ向勝負

 9回1死二、三塁で、聖光学院の先発高野結羽(ゆう)(3年)が7番打者に投じた130球目。「良い球がいった」と渾身(こんしん)の直球だったが、中堅まで運ばれ、犠飛で相手の三走が生還した。「チームを負けさせてしまったことが悔しい」。サヨナラ負けが決まった瞬間、高野は涙をこらえることができなかった。

 一打サヨナラの場面斎藤智也監督は申告敬遠で一塁を埋めるか、打者と勝負するかの決断を高野に委ねていた。高野が出した答えは「相手は全員良いバッター。だったら勝負しよう」。言葉通りの力強い投球を貫いた。

 昨秋の東北大会覇者で、今春の選抜高校野球ベスト8の青森山田に真っ向からぶつかった。最速145キロの直球を主体にテンポ良く投げ込んだ。5回に追い付かれるも、7回まで散発の4安打に抑える会心の投球。8回には右太もも裏をつって一度ベンチに下がったが、「いきます」と自らの意思で再びマウンドに戻り、最後まで腕を振り続けた。

 昨秋の東北大会初戦は四死球や暴投で2回途中5失点でマウンドを降り、誰よりも負けた責任を感じていた。「自分のボールに自信を持ってマウンドに立ちたい」と高野。秋と春、2度流した悔し涙は成長の糧となるはずだ。(熊田紗妃)

 【6月14日の試合結果】春季高校野球東北大会・第1日

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