ブラジル日本商工会議所協賛企画=現地で活躍する日系企業の今(30)=コニカミノルタ・ビジネスソリューションズ・ド・ブラジル社

コニカミノルタのロゴマーク

 「ブラジルで活躍する日系企業の今」を紹介する本連載第30回目は、コニカミノルタ・ビジネスソリューションズ・ド・ブラジル社の松原健司取締役(57)に話を聞いた。同社は1988年の設立以来、複合機、プロダクションプリント機、ラベル印刷機の販売を手がけてきた。昨年には日本のコニカミノルタ株式会社が創設150周年、同社が35周年の節目を迎え、両社用の特別ロゴマークを制作し販売活動拡大を行った。

右から松原健司取締役(コニカミノルタ㈱からの出向者)左から、Ronaldo Arakaki社長(ホナルド・アラカキ)、西脇弘副社長(丸紅㈱からの出向者)

カラープロダクションプリント機でブラジル市場トップシェアを維持

 同社は1988年にコニカミノルタ㈱と丸紅㈱との合弁会社(出資比率はコニカミノルタ51%、丸紅49%)として設立された。設立当初はマナウスで複写機の製造も行っていたが、現在は用途に合わせた様々な複合機や印刷機の販売とそのアフターサービスをブラジル内で行っている。
 同業界は、機械の部品に必要な精密機器を製造するのが得意な日本企業が世界シェアを大きく占めている。ブラジルには日本企業を含めた複数の同業他社がある中で、調査会社の統計データによると、カラープロダクションプリント機では同社がブラジル市場でトップシェアを数年間維持しており、同社は近年プロダクションプリント機販売を事業の主軸としている。
 アフターサービスのサポート体制もきめ細やかで、トラブル発生時の早急な対応、ディーラーや技術者への製品に関するオリエンテーションなどが高く評価されている。

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カラープロダクションプリント機
AccurioPrint C4065/AccurioPress C14000
ラベル印刷機AccurioLabel 400

事業活動を通じた持続可能な社会の実現への貢献

 時代の進化に合わせて製品やサービスを新たにして売上を伸ばしてきたが、現代のブラジルは先進国と同様に複合機ビジネスは成熟している。パンデミックを境にそれまで少しずつ進行していたペーパーレス化やテレワークが急速に拡大し、今後既存のビジネスの延長だけでは厳しいと予測し、競合他社との差別化を図るべく新規商品を絡めた提案や顧客のコスト削減提案、更には事業を通じて社会・環境課題解決に貢献するといった問題解決型の提案に取り組んでいる。
 コニカミノルタグループ全体にて、サステナビリティを「事業活動によって社会・環境問題を解決することにより持続可能な社会の実現に貢献すると共に会社が成長していくこと」と定義し、サステナビリティを常に経営の中核に意識して取り組んでいる。

「Fespa Brasil Digital Printing 2024」のコニカミノルタブース

毎年恒例のブラジルのデジタルプリント見本市

 サンパウロではラテンアメリカのデジタルプリントに焦点を当てた見本市「Brasil Digital Printing」が毎年開催され、同社も毎年参加している。今年も3月11日から14日までエキスポセンターノルテ(Fespa)で開催され、展示企業の中で同社スペースは展示会場の出入り口正面に位置し出展企業の中で最大スペースを持ち、同社ブースには4日間で約2200人と多くの来場者が訪れた。
 今年はサステナビリティをテーマにプロダクションプリント機、ラベル機、パッケージ印刷機(MTex製)等を展示。新製品では、モノクロプリンターAccurioPress 7136Pと段ボールへの直接印刷に最適なプリンターPKG-800が発表された。来場者には展示機デモ実演、機能説明、サンプル品配布などが実施され盛況だった。
 更に今年6月25日から6月28日までサンパウロで開催される Flexo & Labels EXPO 2024では同社ラベル機新製品「AccurioLabel 400」の展示を予定している。

ラテンのノリで即断されたCM出演

 約2年前からブラジルに赴任した松原氏は、12年前から中南米担当となり、ブラジルやペルーに出張で訪れていた。
 「実はペルーで突然CMに出演したことがあります」と笑顔で振り返る同氏。当時、出張中に商談していたペルーの代理店の社長が、アルベルト・フジモリ元ペルー大統領の大ファンだった。同大統領の日本語名がケンヤで、松原氏の名前のケンジを同じだと思って特別に気に入られ、会議中に予定外に始まったコニカミノルタ製品のコマーシャル映像の撮影に、商談相手の日本人というそのままの役柄で出演することになった。
 「ブラジルに赴任するまでは南米に対してラテンのノリの良さと同時にアバウトなイメージを持っていましたが、実際にブラジル人と一緒に仕事をすると幹部の真摯なマネジメントやスタッフの自発的で前向きな仕事への取り組みにとても助けられています」と話す。
 また営業現場の重要性を強く意識しており、自ら積極的に顧客を訪問し会社紹介、顧客にて使用している機械の調子、困り事がないか確認することを心掛けている。「直接足を運び顧客の意見を直に聞くことは非常に重要であり、今後も積極的に訪問したい」と話す。
 「新しい価値の創造」というコニカミノルタの経営理念のもと、同社の販売する製品やサービスが南米事業に明るい思い出をプリントし、ブラジル地域社会への貢献を続けていく。(取材/大浦智子)

コニカミノルタ・ビジネスソリューションズ・ド・ブラジル社の概要正式名称:Konica Minolta Business Solutions do Brasil Ltda.所在地:サンパウロ市設立年月:1988年従業員数:約190名事業内容:複合機、プロダクションプリント機、ラベル印刷機の販売サイト:https://www.konicaminolta.com/br-pt/index.html

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