過疎自治体向け田舎情報サイト全国に拡大 本質追究、高知出身の横浜市職員

「田舎マップ」について説明する松本哲児さん=3月、高知県室戸市

 過疎地域の産品や歴史をまとめたサイト「田舎マップ」を運営する横浜市職員松本哲児(まつもと・てつじ)さん(48)が4月から、過疎自治体向けの新サービスを始めた。自治体の特産品情報などを掲載し、閲覧傾向を分析してフィードバックする。松本さんは「田舎を何とかしたい。地域の生活の楽しさを次世代につなげるため、本質を可視化して伝えたい」と力強く語る。(共同通信=鈴田卓)

 松本さんは2023年4月に田舎マップを立ち上げ、これまで出身地の高知県室戸市に限って運営してきた。新サービスでは対象を全国に広げる。有料契約を結んだ自治体が製作したコンテンツを追加し、閲覧できるようになる。

 伝統、歴史といったディープな情報も載せ、写真や動画で解説する。1ページにつき一つの項目を紹介。欄外にはお薦めの特産品や外部のホームページ、ふるさと納税の返礼品などへのリンクを張るという。

 松本さんによると、関連するページ同士はひも付けられ、人気度合いや利用者の年代、閲覧傾向を分析できる。定期的に結果を報告し、地域資源の活用方法を提案する。

 田舎マップ上ではなく、各自治体のホームページ(HP)上に掲載する。公的機関のHPは信ぴょう性が高く、グーグルなどの検索サイトで上位に表示されやすい。多くの人に閲覧してもらう狙いがある。自治体はHPのドメイン(インターネット上の住所)を提供し、松本さんらが管理する。

 元々は全国に田舎の魅力を届けたいと思っていた。しかし情報を発信して喜んでくれたのはいつも地域の住人だったことに気づき、方針を変えたという。松本さんは「地域から地域に向けて伝えるから盛り上がる。その熱い気持ちが結果的に全国に伝わってほしい。旗振り役は地域に密着する自治体しかない」と利用を呼びかけている。

「田舎マップ」のホームページ
過疎地域の情報サイト「田舎マップ」のイメージ

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