トラフグ水揚げ額最高、23年1億2800万円 福島県沖、単価上昇

 福島県沖でとれるトラフグの昨年の水揚げ金額は1億2800万円となり、過去最高を記録した。漁期の変更などにより水揚げ量は前年比6.3トン少ない29.8トンだったが、販売単価が上昇したことで前年よりも400万円余り増加した。14日に相馬市で開かれた市「福とら」活用推進協議会の総会で、県水産資源研究所が示した。

 本県沖のトラフグは、水揚げ量の多くを占める相馬双葉漁協のはえ縄漁が始まった2019年から急増していたが、同漁協は品質の高いトラフグが漁獲できる時期に漁を行おうと、昨年から漁期を1カ月遅らせ、10月~翌年2月とし、資源保護のため1隻当たりの漁獲量も制限していた。

 県海面漁業漁獲高統計によると、昨年の1キロ当たりの単価は平均4319円で、前年より875円高かった。同研究所の神山享一副所長は「ブランド化に向けた取り組みが行われ、トラフグを目当てにしたツアーなども実施されたことで、需要が高まったためではないか」と話した。

 10月29日、福とらの日

 相馬市「福とら」活用推進協議会の総会では、10月29日を「福とらの日」とすることを決めた。はえ縄漁が再開する10月と「2(ふ)」「9(く)」にちなんで決めた。当日はPRイベントなどを行うという。会長を務める草野清貴相馬商工会議所会頭は「相馬市内ではフグを調理できる人材も増えてきた。県内外の人に福とらを知っていただき、食べに来てほしい」と語った。

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