立ち上がれない源田に「グッときた」 目の前で受け止めた思い…コーチが信じる“変化”

西武・源田壮亮【写真:小池義弘】

西武・源田は執念のヘッドスライディングも実らず悔しさを露にした

西武の主将、源田壮亮内野手は11日にベルーナドームで行われた広島戦で最後の打者となり、チームは1-2で敗れ8連敗を喫した。一ゴロに倒れた源田はヘッドスライディングで執念を見せたが間に合わず、しばらく立ち上がれずに悔しさを噛み締めた。その姿を間近の一塁コーチャーズボックスから見ていた赤田将吾外野守備走塁コーチは「アイツの悔しさは伝わりました」と回顧した。

「まずはベースに近い位置から飛び込んだので、怪我を心配しました。しばらく立ち上がらなかったので声をかけたら『大丈夫です』と。チャンスで打てなかった場面もあったし、キャプテンとして思うところがあったんじゃないかな」

崩れ落ちた源田を真っ先に迎えにきたのが、7回2失点と好投した先発の今井達也投手だった。「アイツ(源田)の悔しさは伝わりました。そして今井がボロボロ泣きながら迎えにきて、胸にグッとくるものがありました。源田はもともと、悔しさも喜びも、あまり感情を出すタイプではない。それがああいう姿をみせたので……」。選手たちの必死な姿は赤田コーチの胸に刺さった。

だからこそ思う。「あの源田のプレーが、何かのきっかけになってくれたら。その次の試合はいい形で勝てたので。その1試合だけじゃなダメなんだけど。キャプテンがああいう姿を見せるというのは、みんな感じるところがあったんじゃないかなと思います。むしろ感じないといけない」。最下位に苦しむチームの流れを何とか変えようとする源田の必死さが“起爆剤”となることを願っている。

「チームの雰囲気はいいんです。みんなベンチで声を出しています。渡辺監督(代行)も出しています。松井監督のときからベンチで声はでているんです」

14日の試合のDeNA戦にも敗れ、現時点で6月は2勝10敗と苦しい状況は続いている。それでもベルーナドームの左翼席には応援フラッグを一生懸命に振って声を出すファン達が陣取っている。勝ちたい、勝ちを届けたい――。選手は目の前の1勝にこだわり、全力で戦っている。(湯浅大 / Dai Yuasa)

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