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サラリーマンとして高い能力を発揮し、バリバリ稼いできたエリートでも、仕事に100%振り切れば、家庭内では抜け殻…。しかし、そんな姿に妻はイライラを募らせているかもしれない。
バリバリ稼ぐエリートサラリーマン、家庭内では別の顔
「トイレも洗面所も汚しっぱなし。ごみは散らかしっぱなし。それでも本人は平然としていて、まるでこの状況が見えていないみたい」
「なにをいっても覚えていない。家のことは一切やらない。買い物を頼んでも、まともにできたことがない」
「仕事ができるのに、なぜ家のことができないのか。まるで幼児や赤ん坊みたい。本当にイライラするし、不思議で仕方がない」
アラフィフ、アラカンの女性たちが、ファミレスで夫への不平不満を口にしている。
仕事に全振りしている夫が、まったく家庭内を顧みない。そんな情景が浮かび上がってくる。
気概を持って働いてきたサラリーマン。大企業でライバルを押しのけ、バリバリ稼いでいた人もいるだろう。
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大企業に勤務する大卒・非役職者(平均年齢38.5歳)の平均給与は月収で36.4万円、年収で640.9万円。
係長に昇進するのは平均44.6歳、給与は月収41.0万円、年収734万円。課長に昇進するのは平均48.7歳、給与は月収61.5万円、年収1,055.9万円。部長に昇進するのは平均52.8歳、給与は月収76.5万円、年収1,303.4万円となる。
日本経済団体連合会『2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査』によると、大卒会社員の退職金は2,243万円、月収換算38.1ヵ月分となっている。大企業勤務の大卒部長の場合、定年前の月収は平均77.7万円。単純計算2,960万円もの退職金を得ることになる。
「部下へのマネジメント癖」+「赤ちゃん返り」=妻、ブチギレ
職位が高く、多くの部下を従えていたエリートサラリーマンでも、家庭内でのポジションはどうかというと、先般の妻たちの不平不満を見聞きするに、仕事と同等の成果が出せているとはいえないようだ。
仕事に100%振り切れば、家庭内の運営にまで力を発揮することは難しく、とりあえず妻に丸投げ。現役引退後は燃え尽きてしまい、完全な「抜け殻」状態だ。抜け殻なら大人しいのかというと、決してそうではない模様。ひとたび口を開けば命令、批評、そして妻への甘え、つきまといという「濡れ落ち葉」状態に。
「部下へのマネジメント癖」+「赤ちゃん返り」のダブルパンチなら、妻がキレるのも無理はない。
「妻が冷たい…」
「これほどまでに、家族のために働いてきたのに?」
あまりに切ない定年後の生活。思い描いていたものとは、まったく違う――。
職場での気概を、家庭でも少しだけ発揮したなら…
「株式会社しんげん」が運営する主婦向けの情報メディア「SHUFUFU」が、既婚の20代から50代男性に行ったアンケートによると「結婚しようと思った一番の理由」の1位は「自然体でいられる・楽だから」(26.3%)、2位が「価値観や考え方が合うから」(15.6%)、3位が「顔や外見が好きだから」(13.1%)だった。
夫の多くは「自然体でいられる・楽」つまり、妻は気を遣わなくても大丈夫な相手だと考えているのだろう。
そして「妻の嫌なところ」の1位は「口うるさい・細かい」(20.6%)、2位は「ヒステリー・怒りっぽい」(20%)、3位は「話を聞かない」(19.4%)だった。
このことから、干渉されるのを嫌う姿が見えてくる。
口うるさく干渉されるのはイヤ、自然体で過ごしたい、自分のことは理解してほしい…。もしこのような要求が前面に出てしまえば、力を合わせて家庭を運営するのは難しいのではないか。
長い老後生活、円満な家庭を維持したいのなら、職場で発揮していた頼りがいや気遣いを、家庭内でも発揮したほうがよさそうだ。
[参考資料]
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』
日本経済団体連合会『2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査』
株式会社しんげん『「妻の嫌なところ」に関するアンケート調査』