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サッカー日本代表の6月シリーズが終了した。2026年北中米W杯アジア2次予選を戦い、ミャンマー代表とシリア代表を相手に、2試合とも5-0で大勝した。この2試合を戦う前から、次のステージである最終(3次)予選への首位通過はほぼ決まっており、ある意味、消化試合ともいえる状況下で、森保ジャパンは何をつかんだのか。9月に控える最終予選への課題、台頭する新戦力の存在なども含め、ベテランのサッカージャーナリスト大住良之と後藤健生が語り合った。
■A代表の「刺激になる」五輪組の合流
――日本代表のモチベーションの保ち方が難しいとのことですが、次回の活動時には五輪を終えたU-23日本代表の選手たちの合流が刺激になるのではないでしょうか。
大住「オリンピックで見る人が驚くような成績を収めたり、選手たちが活躍して注目されたら、さらに刺激になるだろうから、パリでは頑張ってほしいよね」
後藤「オリンピックではひとつ、メダルを取ってサッカーファン以外の人たちに対しても存在感を示してほしいという思いもあるけど、一番大事なことは活躍した選手たちがA代表に入って刺激になってくれることだよね。オリンピックで活躍すれば、良いクラブに引き抜かれる選手たちもいるだろうし」
――五輪世代で入りそうなのは誰になりますか。
大住「関根大輝」
後藤「あとは、これまでも話してきた細谷真大」
大住「関根は今の段階でもA代表で右サイドバックに入ったら、こいつはすごい、と驚かれると思うよ」
■王様・鈴木唯人は「借りてきた猫に」
後藤「藤田譲瑠チマや松木玖生だって、入ってきてもおかしくない。実際に、鈴木彩艶はとっくに入っているわけだし」
大住「松木のハードワークぶりは、A代表にはないものだよね。当たりも強いし」
後藤「GKは彩艶と並んで小久保玲央ブライアンも入ってもおかしくないでしょ」
大住「そうだね。GKは2人とも入れてもいいね」
後藤「カタールで開催されたU-23アジアカップでのプレーを見たら、少なくともシリア戦に出た2人のGKよりいいよね」
――左サイドバック問題も、五輪組で解決できるでしょうか。
後藤「バングーナガンデ佳史扶は一度、A代表に呼ばれたことがあるよね」
大住「佳史扶はスピードが魅力的な選手だね。あとは、大畑歩夢も良くなってきているよ。内野貴史は、右も左もできることが重宝されている」
――後藤さんは、鈴木唯人をシリア戦で見たい選手に挙げられていました。
後藤「シリア戦ではメンバー外だった。人数を絞る必要はあるんだけど、出さなかったというのは何かケガなどの理由があったのかな」
大住「U-23代表では王様みたいなプレーしていたけど、ミャンマー戦では借りてきた猫みたいにおとなしくしていて残念だった。決定力のある選手だから、ぜひ伸びてほしいよね」
■「オーバーエイジ枠」でデュエル王が出場
――パリ五輪が終わって顔ぶれが変わるかもしれない、次の招集が楽しみですね。
大住「そういえば遠藤航がオーバーエイジ枠で出るかもしれないって、本当なの?」
後藤「予備リストには入っているという話だよ」
大住「出場はほとんど決まり、というような報道のされ方だったけど…。3年前の繰り返しをして、また負担をかけるのか、って思っちゃった」
――遠藤が入ると、同じポジションの藤田譲瑠チマといった選手たちの出場機会が減りますね。
大住「いや、藤田はもっと前のポジションもこなせるから大丈夫」
後藤「藤田の成長のためには、遠藤の隣でプレーする経験はぜひさせてあげたいね。松木玖生もそうだよ。遠藤のそばでプレーさせるというのは、有益なことになるだろうね」
大住「だけど、また遠藤が疲労困憊になる」
後藤「そう、それは絶対に避けたほうがいい」