RBハリスの5年目オプション非行使は「ビジネス上の判断」とスティーラーズGMカーン

ピッツバーグ・スティーラーズのナージー・ハリス【AP Photo/Matt Rourke】

ピッツバーグ・スティーラーズがランニングバック(RB)ナージー・ハリスの5年目オプションを行使しない決定を下したことで、ハリスにとって2024年は実力を証明しなければならない重要な年となった。

少なくとも外部からは、この決定が何らかの敵対心を生んでいるように見える。しかし、スティーラーズのジェネラルマネジャー(GM)オマール・カーンは今週、その見方を否定し、今回の決定はビジネス以外の何ものでもないと説明している。

現地13日(木)にラジオ番組『93.7 The Fan(93.7ザ・ファン)』に出演したカーンGMは「5月2日までに下さなければならなかったビジネス上の判断だ」と語り、こう続けた。「とはいえ、ナージーがここにいてくれれば最高だと思っている。ナージーのことは選手としても人としても大好きだ。オプションを行使しなかったからといって、ナージーと長期的な契約を結ぶ可能性が消えたわけではない。ナージーはここで長いキャリアを送った、と後から振り返って言いたい。彼はフィールド上でもフィールド外でも、チームの模範となる存在だ」

「今回の件は決断しなければならないことのひとつだった。今はそれがみんなにとって最適な判断だと考えた。私はナージーが大好きだ。彼には長い間、ここにいてほしいと願っている」

スティーラーズが慎重になった理由として、ハリスがオプション行使に必要な信頼を完全には得られていないという点がある。ハリスは3シーズン連続で1,000ランヤードを超える成績を残し、スティーラーズの低迷するオフェンスを1人で支えることもあった。しかし、チェンジオブペースラッシャーとして活躍するバックアップのRBジェイレン・ウォーレンが台頭してきたことにより、ハリスの地位はやや脅かされている。

ランニングバックというのはチームが新人契約や短期契約以上の投資を容易にできるポジションではないため、今回の決定は理にかなっていると言える。

期限が近づいてもスティーラーズがハリスとの契約をもう1年延長するという動きに踏み切らなかったのは驚きではない。しかし、それによりシーズンが始まる数カ月前に、2024年の重要性が一段と高まっているのも事実だ。

カーンGMの決断について質問する機会を得た『93.7 The Fan』の面々は当然ながらそれに飛びついた。その一方で、ハリスはこの話題を完全に避けており、ミニキャンプ中のインタビューには応じず、トレーニングキャンプで記者たちに話すと約束している。

ハリスにとっては賢明な判断だと言えよう。ハリスはフィールド上でしか真価を示せないと理解しているのだ。アトランタ・ファルコンズの元ヘッドコーチ(HC)アーサー・スミスがオフェンスを指揮するようになった今、ハリスはスティーラーズに来て以来、最高の環境に身を置くことになるだろう。

そうなれば、スティーラーズは新しい契約でハリスを引きとめる気になるかもしれない。もしかすると、その頃にはスティーラーズがある程度、交渉の場の主導権をハリスに譲る可能性もある。

現時点でスティーラーズはそのリスクを受け入れる構えだ。これまでの歴史が物語っているように、待ちの姿勢が最も賢明なことが多い。

【KO】

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