山寺宏一 TARAKOさんから飲みの誘い→周辺に居酒屋なしも「ファミレスあるよ」

 TARAKOさんとの思い出を語り涙をこらえる山寺宏一(撮影・堀内翔)

 フジテレビ系国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」で主人公・まる子の声を34年間務め、3月4日に63歳で亡くなった声優のTARAKOさんのお別れ会「TARAちゃんありがとうの会~たいせつなきみへ~」の関係者向けの第一部が15日、都内で執り行われ、参列した声優の山寺宏一(62)が取材に応じた。

 TARAKOさんとデビュー当時から切磋琢磨し、親交を重ねてきた山寺は「同世代ということでとても親しくなったので、TARAちゃん、山ちゃんと呼び合おうと言うことで、彼女がプロデュースした舞台にもかつて1度出させていただいた。素晴らしい脚本と演出でこんなに温かい芝居を創る人が声優の世界にいるんだということで、驚いて心から尊敬しておりました」と語った。

 昨年末にTARAKOさんが手がける舞台も鑑賞しに行き、上演後に写真を撮って交流したという。「お元気だっただけに本当に信じられない気持ちでいっぱいです。本当に彼女の人柄そのものを舞台を作り上げる人で色々なメッセージが込められていて、本当に影響を受けた」と悔やみ、「ちびまる子という作品はTARAちゃんじゃなければこんな風に日本中、世界中に愛される作品にはならなかったと個人的に思います」と敬った。

 山寺は2019年に念願の「ちびまる子ちゃん」にモノマネ上手な露天商の男役で出演。収録当時について「早い時間に終わったので、TARAちゃんが『飲み行こう』って。僕が『スタジオの周りに飲み屋ないし、いける?』って言ったら『ファミレスがあるよ!』って。僕もそこそこの年齢だったし、あまりファミレスで夕方から飲むのはないけど、TARAちゃんが言うならということで皆で長い時間ファミレスにいて、楽しくて楽しくて」とTARAKOさんの“らしい”エピソードを明かし、思い出し笑い。「いつも励ましてくれて、もう笑顔しか思い出せないです。本当に心から感謝しています」と故人へ感謝の思いを伝えた。

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