JR岡山駅と出雲市駅を結ぶ特急やくもで使われてきた381系が15日、定期運行を終了した。“最後の国鉄型特急電車”と呼ばれる車両のラストランを、岡山駅や沿線に集まった鉄道ファンが惜別の思いで見送った。
381系は国鉄時代の1982年に伯備線に登場。当時から定期運行が続く全国唯一の特急電車となっていたが、新型車両273系が今年4月に導入されたのに伴い終了が決まった。ラストランとなったのは2007年に運転が始まった「ゆったりやくも色」で、今後は繁忙期の臨時便として使われる。
岡山駅には数百人のファンが詰めかけた。午前7時過ぎにやくもが出発すると、ファンたちはカメラを構えながら「ありがとう」「お疲れさま」と声を上げ、ホームから見えなくなるまで見届けていた。
ホームで見守った埼玉県坂戸市、会社員男性(46)は「歴史ある381系の最後に立ち会えて一つの時代の区切りを感じた。乗車できなかったのは残念だけど、臨時便にはぜひ乗りたい」と話した。