「日本は食も文化も…アリガトウ!」 バレー五輪“消滅”カナダが涙の1勝で別れ「日本ファンは…」

フランスに勝利した女子バレーカナダ代表【写真:VNL提供】

買取大吉 バレーボールネーションズリーグ2024福岡大会

バレーボールネーションズリーグ(VNL)2024福岡大会は15日、北九州市の西日本総合展示場で女子第3週が行われ、世界ランク10位のカナダが同19位フランスに3-0(25-14、25-18、31-29)で勝利した。前日の敗戦で大会公式サイトがパリ五輪出場の夢が「事実上」消滅したと伝えたが、今ラウンド最終戦で意地の1勝。涙を流し、日本のファンから惜しみない拍手が送られた。五輪切符を持つ日本は、午後7時20分からセルビアと対戦する。

最後まで全力を尽くした。デュースが続いた第3セット(S)最終盤。カナダは身長188センチのエースOHバンライクが渾身のスパイクを決め、他の選手たちも必死でレシーブに飛び込んだ。すでに開催国枠で五輪出場権を持つフランスも譲らない。最後はライトからバンライクがクロスに打ち込み、熱戦に終止符を打った。

終了後、選手たちは涙。苦楽をともにしてきた仲間同士、それぞれ順番に抱き合い、耳元で言葉を交わした。見守った日本の客席からは温かい拍手。13日に日本を3-2で破り、五輪への夢を繋いだ。しかし、14日に五輪最後の1枠を懸けたオランダ戦に敗北。限りなく可能性が低くなり、大会公式サイトは「両国の五輪出場権争いは事実上オランダの勝利に決まった」とパリ切符がこぼれ落ちたことを伝えていた。

主将のグレイは場内インタビューで「まずこの勝利はとても嬉しい。昨日の敗戦があったので、チームは気持ちを取り戻さないといけなかった。みんなファイトがあるから素晴らしかった。(試合中に)コートで泣かなかったのがよかったわ」と微笑み。日本のファンへの感謝も忘れなかった。

「私は一度日本に来たことがあるの。また来られたのは嬉しい。食べ物も、文化も素晴らしいし、何よりファンが素晴らしいわ。私たちのプレーを見てもらえて嬉しいです。アリガトウ!」

日本戦に比べれば3分の1にも満たない観客数だが、全力バレーにファンは興奮。最後にグレイがサインボールを客席に投げ込むと、また歓声が膨らんだ。バレーボールの魅力を届けてくれた試合だった。

THE ANSWER編集部

© 株式会社Creative2