ついに“中核市”移行へ 所沢市、2030年の実現を目指す 保健所整備に25億円以上、新たに必要な職員85人など人件費は毎年6億8千万円増の見込み 行政サービス迅速化に期待 埼玉でほかに中核市の要件満たす3市どこ

所沢市役所=埼玉県所沢市並木

 埼玉県所沢市は14日、中核市移行に関する調査報告書を公表し、2030年4月の指定を目指すことを発表した。移行には保健所や市職員体制の整備が必要となる。本年度中に基本方針を策定し、大野元裕知事に協力要請をする予定。

 報告書によると、保健所整備費には約25億円以上の費用がかかる見通し。また、移行により県から移譲される事務は2024件、新たに必要となる職員は約85人、地方交付税の歳入が約11億8千万円、歳出は人件費が毎年約6億8千万円増えることが見込まれる。児童相談所は移譲せず、現体制のまま県と連携する方針。

 中核市は人口20万人以上であることが指定要件で、行政サービスの迅速化などが期待できる。中核市は全国に62市(24年4月1日現在)。県内では川越、越谷、川口の3市が中核市で、所沢市のほかに草加市、春日部市、上尾市が要件を満たしている。

 所沢市は、中核市移行について10年度に検討したものの、当時の財政状況から「継続的な課題とする」とした。23年10月に再び準備調整会議とプロジェクトチームを設置し、調査、研究を進めていた。

 小野塚勝俊市長は、「地域の実情に合った、より質の高い生活環境を提供し、市の可能性をさらに広げ、市民の一人一人にとってやりたいことのできるまち、可能性が広がるまち日本一を目指します」とコメントした。

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