シーズン第1週の先発QBについて「断言できることはない」とコマンダースHCクイン

ワシントン・コマンダースのジェイデン・ダニエルズ【NFL】

ワシントン・コマンダースのヘッドコーチ(HC)ダン・クインの中で、まだ先発クオーターバック(QB)を指名する準備はできていない。

コマンダースは2024年NFLドラフト全体2位でジェイデン・ダニエルズを指名したが、ルイジアナ州立大学(LSU)出身のダニエルズはこの春、ベテランクオーターバックであるマーカス・マリオタとレップスを分担している。クインHCは現地13日(木)に、これは意図的なものであって、2人のこれまでのパフォーマンスの良しあしに基づいてしたことではないと語った。

トレーニングキャンプの開始まで1カ月以上ある現時点では、2024年シーズン第1週の先発クオーターバックが誰になるか「断言できることはない」とクインHCは述べている。

クインHCはコマンダースのオフシーズンプログラムの締めくくりとして、「われわれは真の競争をさせたくてね。だから、ああやって実際にマーカスにもジェイデンにもそれぞれいくつか(ファーストチームのレップスを)やってもらうようにセットアップしたんだ」と記者団に説明した。

とはいえ、ダニエルズに対する初期の評価はとてもポジティブだ。ハイズマントロフィー受賞者であるダニエルズがコマンダースに加入して以来、その才能と心構えについては、新人選手たちだけでなく、ベテランのワイドレシーバー(WR)たちからも称賛が集まっている。クインHCのコメントもダニエルズについてはとても好意的で、新人であるダニエルズは最初から先発の座を狙うチャンスを得るにふさわしいとしている。

クインHCは「ジェイデンがここで信じられないほどの進歩を遂げているのは間違いないし、本当に楽しいキャンプになるだろう。彼は先発のポジションを争う機会を自ら勝ち取った。そうでなかったら、彼にあのような場所や時間、レップスを与えることはなかっただろう。努力を重ねて、準備が整っていることは明らかだった。彼にその機会を与えたのは確かに意図的なものだ」とコメント。

一方のダニエルズは以前、シーズン第1週の先発クオーターバックの決定は“自分にはどうしようもないこと”だと話している。ワシントンD.C.に到着してからのスタークオーターバックとしての待遇について水曜日に尋ねられた際、ダニエルズはその考えを即座に打ち消し、次のように答えた。

「まだスタークオーターバックじゃないよ。まだまだこれからだし、俺はルーキーだからね。それが答えさ」

コマンダースのクオーターバック陣にはジャーニーマンであるジェフ・ドリスケルと、今季のドラフト外ルーキーであるサム・ハートマンもいるが、シーズン初戦の日曜日に、タンパベイ・バッカニアーズとアウェーで戦う際、マリオタかダニエルズ以外が先発を務めていたらさぞかし驚きだろう。最近の歴史を見ても、ダニエルズが先発を務める可能性が濃厚だ。ドラフト全体1位か2位で指名されたにもかかわらず、シーズン第1週の試合で先発しなかったクオーターバックは、2018年にシカゴ・ベアーズに入団したミッチェル・トゥルビスキーまでさかのぼる。

30歳のマリオタは昨シーズンにフィラデルフィア・イーグルスで3試合に出場し、パス23回中15回成功(パス成功率65.2%)、164パスヤード、タッチダウン1回、インターセプト1回という成績を残した。それに加えて、キャリー8回で52ランヤードもマーク。2022年にはアトランタ・ファルコンズで13試合に先発し、2,219パスヤード、タッチダウン15回、インターセプト9回を記録している。2019年シーズン後にテネシー・タイタンズを離れてから、マリオタが先発出場したのはこの13試合のみだ。

クインHCは活気に満ちたクオーターバックの先発争いをとても気に入っており、偶然にも同じくドラフト全体2位指名だったマリオタが、ダニエルズのメンターとして力を貸してくれると信じているという。しかし、クインHCはダニエルズの謙虚さと同様に、その態度と自信についても称賛しており、若い選手には珍しい特徴だとベテランコーチとして感じている。

クインHCは「彼は威勢がいい」と言い、こう続けた。「彼はわれわれが取り組んでいることについてしっかりと把握しているが、若い選手としての謙虚さも持ち合わせている」

「だから、ベテラン選手の存在感と、証明しなければならないことがたくさんあることを理解している、新しくて若い選手の謙虚さが共存するというのは、なんて素晴らしい組み合わせなんだと思った。これは本当に珍しくて素晴らしい組み合わせなんだ」

ダニエルズには、トレーニングキャンプ中に先発の座を勝ち取るための実力もチャンスも十分にあるようだ。コマンダースとしても、ルーキーであるダニエルズが先発の座を勝ち取ってくれるなら大歓迎のはずであり、トレーニングキャンプが始まってもこうした称賛を浴び続けるようであれば、その決断は時間の問題かもしれない。

【KO】

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