小池知事「リセットされたら都民が困る」と蓮舫氏批判も…本人が「リセット」の言葉が大好きだった?

かつては「リセット」を多用し、国政に色気を見せるも…(C)日刊ゲンダイ

「リセットされたら都民が困るんじゃないでしょうかね。(今の都政を)加速、前進させることが都民にとってのプラスになる」

20日告示、7月7日投開票の東京都知事選で3選を目指す小池百合子知事(71)は14日の定例会見で、「小池都政のリセット」を訴えて出馬表明した蓮舫参院議員(56)をやんわり批判。「これは都政。都知事選に国政を持ち込むと、都民の方が戸惑うという声をいただいている。都政をどうしていくかが問われている」と敵意をあらわにした。

SNS上では、小池氏のこの発言を受け、《その通り。蓮舫さんは国政と都政を一緒にするな》といった意見が出た一方、《いやいや、小池さんの「東京大改革3.0」の意味が分からん。だって、自分が進めてきた都政だろ。それを大改革するって何よ?自分の政策は間違えていましたと認めたってことか?》との反論もみられた。

■「希望の党」の結党会見で「リセット」を繰り返した過去

「リセット」の意味は「すべてを元に戻すこと。最初からやり直すこと」。小池氏は「リセットされたら都民が困る」などと言っていたが、そもそも「リセット」という言葉を多用していたのが他ならぬ小池氏本人だ。

2017年9月27日に都内のホテルで開かれた新党「希望の党」の結党会見。代表としてマイクを握った小池氏は「しがらみのない政治、そして大胆な改革を築いていく新しい政治、まさに日本をリセットするために希望の党を立ち上げる」と切り出し、続けて、「リセットするからこそしがらみがない」「しがらみがないからリセットができる」「いまこの時期に日本をリセットしなければ」と訴えていた。

この時、小池氏は知事在職中。なぜ都知事が国政選挙に乗り出すのか、国政と都政は別物ではないか--といった批判の声が出ていたが、当時の小池氏はお構いなし。その後、小池氏が「排除の論理」で旧民進党の候補者選別に動き出し、野党分断を図ったことが世論の反発を招き、「希望の党」は失速。小池氏が繰り返していた「リセット」も雲散霧消した。

ちなみに小池氏は1999年2月の衆院予算委でもこう言っている。

「これまでずっとやってきたことを一度我が国国家としてリセットボタンを押して、チャラからとは申しませんけれども、再スタートをする、再スタートを切る時期ではないかと思っているわけでございます」

どうやら小池氏は「リセット」という言葉が大好きのよう。ただ、今回は裏金事件で表に立てない自民党の「ステルス支援」を受け、「しがらみ」でがんじがらめになることから、「しがらみがないからリセットができる」と大きな声で言えないのだろう。

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