横浜FMキューウェル監督「とても残念」…町田戦“失速”敗因ズバリ指摘「そこに尽きる」

ハリー・キューウェル監督が町田戦の完敗を認めた【写真:徳原隆元】

宮市のゴールで先制するも、3失点で逆転負け

横浜F・マリノスは、J1第18節でFC町田ゼルビアに1-3と逆転負けを喫し、リーグ2連敗となった。前半に幸先良く先手を奪いリズムを掴みかけたなかで、後半に入ると失速。ハリー・キューウェル監督は試合後、この試合の敗因に触れ、ハードワークでの“完敗”を認めた。

国際Aマッチウィークによる中断期間前の鹿島アントラーズ戦(2-3)で逆転負けを喫した横浜FMは、その鹿島戦同様、町田との一戦でも先手を取った。FW宮市亮がペナルティーエリア(PA)内斜め左からJ1通算50試合目での今季初ゴール。これで勢いに乗りたかったが、そのあとが続かなかった。

前半終了間際の43分、セットプレーからDF昌子源に同点ゴールを許すと、後半は一気に失速。同12分、MFバスケス・バイロンのお膳立てからFW藤尾翔太、その4分後にはMF下田北斗に鮮やかな直接フリーキック弾を叩き込まれ、2点のビハインドを覆せずに敗戦。試合後、ホームのゴール裏スタンドからはブーイングが響いた。

試合後、キューウェル監督はこの試合を総括したなかで「前半は良かった」と評価も、やはり後半の失速ぶりには「とても残念な気持ちでいっぱいです」と失望感を露わにした。後半、怒涛の逆転劇を演じた町田の勢いに飲まれた自チームの敗因を、オーストラリア指揮官はズバリ指摘した。

「今日見た中で、ハードワークっていう部分が本当に見せられてなかったなっていうふうに思いました。もちろん選手たちはベストを尽くしたのかもしれませんが、特に後半はもう町田がそれを上回る素晴らしいプレーを見せたというところだと思いますし、そこに尽きるのかなと」

実際、この試合のトラッキングデータを見ると、走行距離(109.04km対118.204km)、スプリント回数(106回対128回)ともに数値は劣っている。選手たちの足が止まってしまった1つの要因には後手に回った対応もあり、とりわけ手を焼いていたのが、町田の右サイドバックDF望月ヘンリー海輝の攻め上がりだった。

自陣左サイドの高い位置に張り出されたなか、そこをめがけたロングボールからチャンスを作られると、守備がはまらなくなり次第にリズムを失った。中盤でもセカンドボールを拾えず鋭いカウンターを発動され場面が幾度となくピンチを迎えた。

「町田のやり方というのは、ロング(ボール)をたくさん使い、相手をイライラさせるような部分というのがありますが、後半はそういうのを抜きにして、自分たちが全くそういうところを感じないようなプレーになってしまった。自分たちからしっかり、どのようにピッチに立たなきゃいけないのか改めなきゃいけない」(キューウェル監督)

横浜FMは、5月25日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦(アル・アイン/1-5)で敗戦直後、リーグ戦での柏レイソル戦を4-0でモノにしたものの、続く鹿島戦、そして町田戦と連敗。今後はACL参戦による未消化試合が組み込まれ、7月中旬まで連戦が控えるなか、改めてチームの真価が問われようとしている。(FOOTBALL ZONE編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)

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