広島・堂林が体現した「僕らの野球」 61打席ぶり適時打で交流戦勝ち越しに貴重な追加点も

 6回、中前適時打を放つ堂林(撮影・佐藤厚)

 「楽天3-4広島」(15日、楽天モバイルパーク)

 広島が7年ぶりの交流戦勝ち越しを決め、3連勝で貯金を今季最多の8とした。

 打球が中前で弾むのを確認すると、ベンチに向かって右拳を突き上げた。堂林翔太内野手(32)が9日の1軍昇格後初安打となる中前適時打をマーク。「ちょっとは貢献できたかな」と安どの笑みがこぼれた。

 2点リードの六回。坂倉が適時打を放ち、なおも1死一、二塁で打席へ。2球目に二走・小園が三盗に成功したことが大きかった。「内野ゴロの詰まったのでも、何でも良いと思っていた。結構気楽に打席に立てた」。カウント2-1から甘く入った直球を素直にはじき返し、貴重な追加点をもたらした。

 4月20日・巨人戦以来、35打席ぶりの安打。適時打までさかのぼれば4月12日・同戦以来、61打席ぶりとようやく長いトンネルを抜けた。開幕4番を務めるも、打撃不振で5月12日に2軍へ。首位に立つチームの戦力になるべく「自分も必ずあそこに戻るという気持ちでやりました」と自らを奮い立たせ、バットを振り込んできた。

 打つだけではない。1点リードの八回2死一塁では、渡辺佳が放った一、二塁間の打球を横っ跳びで好捕。すぐさま一塁ベースカバーに入った島内へトスし、ピンチの芽を摘んだ。「まずは守備から。そういったのが僕らの野球だと思う。難しいグラウンドでもあったので」と胸を張った。

 チームは3連勝で7年ぶりの交流戦勝ち越しを決めた。「今日こうやってチャンスをいただいたので、また次しっかり準備したい」と堂林。帰ってきた背番号7が新井カープの勢いを加速させる。

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