無印、歴代「バターチキンカレー」復刻 全6世代を食べ比べてみた

by 小口 覺

店頭で販売されている歴代バターチキンカレー6種類

無印良品の「バターチキンカレー」をご存じでしょうか? 2009年発売の定番商品で、15年間に5回のリニューアルを繰り返し、最新作(6代目)が5月15日に発売されました。

発売15周年を記念し、「無印良品バターチキンカレー15周年祭」として全6種類の歴代バターチキンが復刻しています。店舗や公式サイトから期間限定で購入できるようです。6種類を食べ比べてみたので、味の違いをレポートします。

左から初代、2代目、3代目。各350円
4代目、5代目、6代目。5代目と6代目には「○代目」の表示はなし。「味を見直しました」とあるのが6代目
6つのパッケージを一気に湯煎

かなり味が異なる初代と6代目

まずは、初代と6代目を食べ比べ。敬意を表して初代から一口。クリーミーな、これぞバターチキンという味です。街のインド料理店で出てきても、何の違和感もない味で、普通に美味しく食べられます。

続いて最新の6代目ですが、これは味が全く異なりました。相違点が多いので言葉で表現するのが難しいですが、トマトの酸味が口の中に広がるのが特徴として感じられました。

色味は、初代と2代目(左上とその右)が黄色っぽく、4代目以降(左下から右下)は赤っぽさ(茶色っぽさ)が増しています

初代と6代目の味が違いすぎるので、進化の過程を探るべく、初代→2代目→3代目と順番に食べてみました。以降、舌で感じた印象と、後ほど原材料欄を確認しての答え合わせを併記していきます。

初代→2代目:酸味とスパイシーさが増す

初代に比べて2代目で感じられるのは、酸味の強さとスパイシーさ。大学生の息子は「味が濃くなっている」、妻は「スパイスが変わった?」とコメント。原材料欄を確認したところ、初代の「トマトペースト」に対し、2代目以降は「トマトペースト」に「トマトピューレー」が加わっていました。

スパイスも、初代が「香辛料、カレー粉」とざっくりなのに対して、2代目では、「クミン、コリアンダーパウダー、ターメリック、カルダモン、ココナッツミルクパウダー、シナモン、黒コショウ、フェンネル、クローブ、メース」と具体的な香辛料が明記されています。

3代目:クリーミーさが向上

初代と2代目ほど大きな変化は感じられませんが、クリーミーさは2代目に比べて強まりました。息子も「若干まろやかになったね」とコメント。酸味も若干強まっている気がします。

原材料欄を見ると、スパイスに「カスリメティ」が追加されていました。カスリメティはバターチキンカレーによく使用されるスパイスのようで、より本場の味に近づけようとする試みなのでしょう。

4代目:メジャーアップデートで食べごたえUP

4代目では、大きく味の印象が変わりました。よりトマトの酸味が強まり、タマネギの食感も出てきて、より食べごたえのある濃厚な味になっています。

原材料欄を見ると、4代目以降には「トマトケチャップ」とバターオイルの「ギー」が加わっていました。4代目以降の表面に見える油分は、このギーなのだろうか。とにかく、初代~3代目と4代目~6代目の間には大きな境があるようです。ナンはもちろん、ごはんでも食べごたえがある日本人好みの味になった印象です。

ごはんにも合う濃厚さ(写真は6代目)

5代目:歴代でもっともスパイシー?

4代目の味の傾向である、濃厚、芳醇、香ばしさがさらに強まりました。5代目からはトマトの種類が2種類から3種類に増え、旨みの強いトマトを新たに使用したそうです。

息子曰く「これが1番スパイシー」。刺激を求める人には、この5代目が好みかもしれません。在庫がなくなり次第終了(6代目にシフト)なので、気になる方は早めの入手をおすすめします。

6代目:クリーミーとスパイシーを両立した完成形

最新の6代目では、5代目の濃厚さを残しつつ、若干マイルドになりました。トマトなどの香りは高いですが、よりクリーミーに。スパイスには「ビッグカルダモン」が追加されています。

バターチキンカレーの特徴であるクリーミーさとスパイス感などの食べごたえのバランスを取ったような印象で、味の深みも感じられます。これは無印バターチキンカレーの完成形と言えるかもしれません。

あくまで「個人の感想です」レベルではありますが、味の傾向については、概ね間違ってはいないと思います。気になった方は、ぜひ全種類を無印良品でゲットして食べ比べてみてください。

後日、味の比較など考えずに食べてみましたが、普通に美味しいね(写真は6代目)

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