大病乗り越え念願のコレクション館 津久見市の村本さん、昭和のおもちゃなど展示【大分県】

昭和レトロ満英館を運営する村本浩幸館長=津久見市上青江
ショーケースにぎっしり並べられた昭和のおもちゃ
展示された昭和の雑誌類
空き家を改修してオープンした「昭和レトロ館満英館」

 【津久見】病から奇跡的な回復を遂げた津久見市上青江の村本浩幸さん(59)が、自宅敷地内に「つくみ昭和レトロ満英館」を開いた。自身がコレクションしていた懐かしいおもちゃや骨董(こっとう)品などを多数展示。「津久見の活性化に少しでも役立てたら」と、車椅子生活を送りながらも長年の夢を実現させた。

 村本さんは小学生の頃から昭和のおもちゃやグッズを収集する愛好家。自宅に隣接する空き家の義父母宅を、コレクションの展示館にしようと考えていた。

 家族の反対で計画を断念していた2018年1月、病魔が襲った。脳梗塞を発症し、一時は生命も危ぶまれる状態に。意識は戻ったものの、会話はままならず、体にまひが残った。

 医師から症状が改善する見込みはないと言われた絶望的な状況の中、村本さんはコレクション館の開館を再び目指し、リハビリに励んだ。

 「多くの支えがあってここまで来られた。目標を持つことが、病から立ち直るエネルギーになったはず」と妻(57)。頑張る姿を見て家族も態度を軟化させ、夢を後押ししてくれた。

 念願だった同館は昭和の民家の雰囲気を残しつつ、床や押し入れなどを改装。ショーケースには、おもちゃやフィギュアが所狭しと飾られている。当時の雑誌やレコードも閲覧できる。

 村本さんの要介護度は最も重い5から2になり、現在は車椅子で館内を案内できるまでに回復。「津久見の観光地を巡った後、立ち寄ってもらえるとうれしい。時を忘れてゆっくり楽しんでほしい」と話した。

 営業は金~日と祝日(第2、4週の土日は休館)の午前9時から正午、午後1時から同4時まで。観覧無料。問い合わせは村本さん(090.4771.7381)。

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