旧会津藩士・遠藤敬止翁 120年忌法要 仙台の菩提寺 功績をしのぶ

式辞を述べ、遠藤翁の功績をたたえる新城会長(中央)

 福島県会津若松市の鶴ケ城を後世に残すために尽力した旧会津藩士・遠藤敬止(けいし)翁の120年忌法要は15日、宮城県仙台市の充国寺で営まれた。参列者が会津の恩人の功績をしのんだ。

 遠藤敬止顕彰会の主催。例年、6月15日の命日に合わせ、顕彰碑のある鶴ケ城内で碑前祭を催している。今年は没後120年の節目にちなみ、菩提(ぼだい)寺で法要を行った。

 会員ら約40人が参列した。新城猪之吉会長が式辞を述べ、遠藤翁の功績をたたえながら、さらなる地域振興を誓った。読経に続き参列者が焼香した。会津松平家14代当主の松平保久(もりひさ)さん、小林寛七十七銀行常務、藤崎三郎助仙台商工会議所会頭、室井照平会津若松市長、渋川恵男会津若松商工会議所会頭が追悼の言葉を寄せた。

 遠藤翁は戊辰戦争で鶴ケ城に籠城して戦った。戦後は七十七銀行頭取、仙台商工会議所会頭などを務め、東北経済界の発展に尽くした。1890(明治23)年に私財を投じて明治政府から鶴ケ城の払い下げを受け、旧会津藩主松平家に献納した。鶴ケ城は現在、会津若松市が所有している。

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