閃光爆裂、降り注ぐ火花…歩行者の傘を雷が直撃―中国メディア

錦州北駅の駅舎前の広場を、傘をさした歩いていた男性を雷が直撃した。白くて太い閃光の帯が頭上から突き刺した。火花が大量に出現して周囲に飛び散った。

13日午後7時15分の出来事だった。すでに暗くなっていた遼寧省錦州市内にある錦州北駅の駅舎前の広場を、傘をさした男性2人が歩いていた。監視カメラが残した映像では、周囲が時おり明るくなる。すでに雷が発生していたと思われる。映像は突然、真っ白になった。落雷だった。中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)などが伝えた。

1秒もたたないうちに、画面は正常に戻った。白くて太い閃光の帯が、片方の男性が持つ傘を頭上から突き刺している。傘を持っていたのは30歳男性の孫さんで、一緒にいたのは李さんだった。雷は、傘から細く分かれて男性らの足元に降り注いだ。次いで、火花が大量に出現して周囲に飛び散った。男性2人は、機械仕掛けの人形のような動きで地面に倒れた。映像には音声がないが、轟音(ごうおん)が鳴り響いたはずだ。しかし、画面の奥を歩く人は、特に反応していない。とっさのことだったので、すぐには反応できなかったのかもしれない。

遼寧省では同日、大気の強い対流が発生していた。現地気象部門は、雷への警戒を呼び掛けていた。

落雷は建物や木など高い場所を目がける性質がある。また、物体のとがった部分では、電荷が集中することで放電が発生する先端放電という現象が発生しやすい。そのため、雷が発生している場合でも、高い建物との適切な距離がある場所ならば落雷について比較的安全とされるが、傘をさしていたり長い釣り棹を持っていれば、やはり危険な状態になる。

13日の落雷の現場となった錦州市太和区当局は、「落情報に注意し、防護を行い避難すること」「室内の電話線や電源コードは室内の鉄製のベッドや暖房器具などの金属物から離すこと」「雷雨発生時には窓を閉め、外壁などから離れること」「固定電話の使用やインターネット、シャワーの利用には危険が生じる可能性がある」「屋外では大木やクレーンなどの高い物体から遠ざかること」「開けた場所や水田や川岸に留まらないこと」などとして、市民に注意を呼び掛けた。

持っていた傘を雷に直撃された孫さんと同行していた李さんは、病院に緊急搬送された。治療の結果、孫さんは一命をとりとめた。李さんは、孫さんの体が激突したための転倒で、かすり傷程度だったという。(翻訳・編集/如月隼人)

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