仕掛け人はゲーム好き「楽しく過ごせる」eスポーツ施設 明るい雰囲気で一緒に対戦、部活の地域移行の場にも

家庭用ゲーム機をつないでプレーできるボックス席。店内はゲームの世界観が漂う=播磨町古宮6

 東播地域初のeスポーツ施設「e-sports place(イースポーツ・プレイス) 集会所」が兵庫県播磨町古宮6にオープンした。ゲーム好きが集まりプレーできる拠点として、高性能なパソコン(PC)や液晶画面を完備。中学部活動の地域移行の場にもなっており、明るい店内に子どもから大人までにぎやかな声が響いている。(児玉芙友)

 コンピューターゲームを競技として捉え、腕前を競うeスポーツ。身体能力や性別に関係なく始められ、世界的な盛り上がりを見せている。同店は今月9日に開店。店内にPC約10台や、持ち寄った家庭用ゲーム機をつないで液晶画面でプレーできるボックス席などが設けられている。

 仕掛け人は近くでガス店を営み、自身も無類のゲーム好きという西口謙作さん(36)。新型コロナ禍、オンラインゲームの裾野が広がった一方で、「ボイスチャット(ネット上での音声会話)」をしながらのプレーにむなしさを感じた。「子どもの頃、友達とコントローラーを奪い合い、いいプレーができたらハイタッチするようなゲームがいちばん楽しかった」。一緒にプレーする人の表情が見える空間で、楽しく過ごせる場所を作りたいと考えるようになったという。

 開店から1週間。知り合い同士で腕を磨く人もいれば、初対面の複数人で対戦を始める姿もある。上手な人がいれば攻略法を聞くなど、自然と会話が生まれているという。

 店内は、大通りに面した大きな窓や、たくさんの照明が設けられた明るい雰囲気が特徴。オンラインゲームに限らず、店内にあるボードゲームや、仕事でのPC利用などもできる。

 また、同店は中学部活動の地域移行にも使われている。播磨町内の2中学校から10人ほどのeスポーツ部員が参加。週に1回、定休日の店内を使い対戦ゲームに臨む。

 中学生でも遊べる人気シューティングゲーム「フォートナイト」と「スプラトゥーン」でレベルアップを目指す。講師は西口さんや、高い技術を持つ地元のゲーム好きが務める。講師のアドバイスを聞くと部員たちは、コントローラーから鉛筆に持ち替え、メモを取る。課題のクリアや勝利に向け、作戦会議や反省会を重ねる。

 西口さんは「ゲームを否定する人もいるが、誰かと交流する場と考えてほしい。笑いの絶えない空間を作っていきたい」と声を弾ませる。

 午前10時~午後11時(同9時最終受付)。木曜定休。基本料金は1時間700円(ドリンク付き)。インスタグラム(@syukaijo_esports)

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