ウクライナ平和サミット開幕、共同宣言草案でロシアの戦争非難

Thomas Escritt Dave Graham

[ビュルゲンシュトック(スイス) 15日 ロイター] - ウクライナの和平案を協議する「平和サミット」が15日、スイス中部ビュルゲンシュトックで開幕した。各国首脳はゼレンスキー大統領が提唱する和平案への支持確立を目指す。

会議には90カ国以上が参加しているが、中国は欠席。ロシアは招待されず、前日に独自の停戦案を発表した。

サミットは食料安全保障や原子力発電所の安全確保など、戦争によって生じている広範な問題が協議の焦点となる。

ロイターが入手したサミットの共同宣言草案は、ロシアによるウクライナでの「戦争が大規模な人的被害と破壊」を引き起こしたと非難。ウクライナの領土の一体性を尊重するよう求めている。

また、ロシアが占拠するウクライナ南部ザポロジエ原子力発電所をウクライナの管理下に戻すことや、ウクライナが港湾へのアクセスを確保することなども求めている。

ゼレンスキー氏は多くの国が参加したとしてサミットの意義を強調。首脳らを前に「きょうは、世界が公正な平和をもたらす一歩になる」と語った。

バイデン米大統領の代理として出席したハリス米副大統領は、エネルギーインフラ復旧や人道援助に向けた15億ドル超の追加支援策を発表した。

英国のスナク首相は「(ロシアの)プーチン大統領は真の平和に興味がない」と批判した。

トルコやサウジアラビア、ケニアなどはロシアの不在がサミットでの意義のある進展の障害になると指摘した。

サミットは16日まで。

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