神戸で愛されるクレープ店「HAHAHA CREPE」(兵庫・三ノ宮)。みんな笑顔になっちゃう理由とは?

今回訪れたのは、JR三ノ宮駅から徒歩で約9分のところにある「HAHAHA CREPE(ハハハ クレープ)」。とても優しくて気さくなご夫婦が日々笑顔でクレープを焼いている、沢山の人に愛されるお店です。

クレープ目当てじゃなくても、お店の方と世間話をしについ立ち寄りたくなる。そんな人との繋がりや温かさを感じるお店は貴重になってきました。常連さんが多いですが、もちろん遠くから来るお客様も大歓迎。そんなお店を取材してきました。

遊びゴコロ満載!外も中も明るくポップなクレープ店「HAHAHA CREPE」

JR三ノ宮駅を降りて、JR・阪急・阪神の各鉄道にほぼ平行に沿う西国街道を歩いて約10分。住宅が立ち並ぶエリアに、「HAHAHA CREPE」はあります。こんな住宅の中に本当にある…?と少し心配になるかもしれませんが、安心してください。

遠くからでも一目で見つけられる、分かりやすいお店です。この時点で少し心が明るくなりますね。

正面に回ると、明るい水色が印象的な外観が。平日にも関わらず、何人ものお客様が外で注文待ちをするほど。大人気ぶりが伺えます。

中に入ると、黄色基調のポップなお店!5〜6名ほどが座れるスペースがあり、ネオンカラーの看板、カラフルなボルダリングのホールド(おそらく登れない)、お子さん向けの絵本など可愛いもので溢れかえっています。

と、思いきやなぜかミステリー小説も…?

カルピスバター使用のもっちり生地と新鮮フルーツで作られる種類無限?の絶品クレープ

アイスが入っていないクレープなら持ち帰りもOK

入口すぐの壁にはざっと60種類以上のメニューがずらり。何種類あるんですか?と聞くと「無限かな(笑)」と明るく答える、店主の原田隼之介さん。ここに飾ってあるメニューはメニューにあらず「例えばこんなクレープができますよ」というほんの一例だそう。

基本の組み合わせにアイスにプリン、フルーツやガナッシュ、シリアルなど…店にあるものなら好きにカスタマイズすることができ、自分だけのお気に入りメニューを作ることもできちゃうんです。

例えばミントチョコアイス+オレオ+チョコレートソース
例えばいちご+ブラウニー

常連さんは「お任せ」することもあるそう。「HAHAHA CREPE」の人気の理由は、華やかなクレープという見た目ももちろんですが、素材と手作りにしっかりこだわっていること。

まずクレープ生地にはカルピスバターが贅沢に使用され、外はパリッと中はもちもちの食感。カルピスバターとは470mlの「カルピス」約40本からようやく1個のバターができるもので“幻のバター”と言われることも。その製造工程から、もちろん普通のバターより値段は高め。そのカルピスバターが、あらゆるところに使われています。

そんなに使って大丈夫なんですか?と聞くと「大丈夫じゃないけど…(笑)でもせっかく食べてもらうなら、ちゃんと美味しいものを食べてほしいから」とカラッと答えてくれました。

こちらは平日限定の「いちごラブ」です。しろいちごがこんなにも贅沢に使われている…!?と目を疑うような豪華さ。まるで花束のようなクレープとしてSNSで人気なんです。作り方を見せてもらうと、2層にいちごとクリームを敷き詰めていて、ミルクレープのよう。

クリームも店内での手作り。クレープ5個分をその都度作っているので作りたてのフレッシュな生クリームです。手早くクレープを巻いたら、奥様の原田あおいさんに渡し、最後の仕上げ。お客様と会話をしながら阿吽の呼吸でクレープが作られていきます。

クレープの他、エクレアやクッキー、コーヒーも置いてあります

笑う門には福来る。「お客様」と「ラッキー」に恵まれて11年

こちらが「HAHAHA CREPE」を経営する原田ご夫妻。クレープ店を始めて11年目になるそうです。ご主人の原田隼之介さんは東京出身。学校を卒業してすぐは衆議院に勤めていた公務員だったという異色の経歴です。

「公務員はつまらないって、すぐに思ってしまって(笑)。辞めた後はしばらくメッセンジャーをしていました」

メッセンジャーというのは自転車に乗って書類配送をメインに行う仕事。企業が密集する東京では最速の配送手段として、出版社などの強い味方でした。

自転車で颯爽と走る毎日を送っていた原田さんは、ある日たまたま知り合った人にハンバーガーショップのオープニングスタッフとして誘いを受けたそう。

「ファストフードのイメージが強かったハンバーガーに”グルメバーガー”ってジャンルが出てきたきっかけにもなったお店なんですけどね。ここが初めての飲食の仕事です。アメカジ系の雑誌でもアメリカのカルチャーとしてハンバーガーが特集されたり…ブームになりました」

大阪に拠点を移したのは、知人が経営していた喫茶店を引き継ぐことになったからなのだとか。その後、兵庫県のハンバーガーショップから誘いを受け、2年勤務。奥様のあおいさんとはその時に知り合ったそうです。そして、クレープ店を譲り受ける形で独立。人との出会いで、ここまでたどり着いたと話してくれました。

楽しそうなことや好きだと思うことに、素直に向き合うよう心がけているという原田さん。その証に、お店には色々な雑貨や写真などが飾られていて、11年で積み上げてきた人との絆のようなものが見えてきます。

例えば店名は、お客様から名付けてもらったようなものなのだとか。原田ご夫妻が結婚式を挙げていなかったという話を聞いた常連さんが、ふたりのために約80人ものお客様を集めて結婚式をサプライズプレゼント。その時ゲストが着ていたオリジナルのTシャツに「HAHAHA」とプリントされていたことから「HAHAHA CREPE」という名前にしたのだそうです。

2年前にお店を移転した際も、店内デザインは常連さんが担当。原田さんご夫妻のイメージに合わせて、明るくポップに。

「オペレーション的に『こう動きたい』って希望は出したけど、あとは全部任せました。お客さんから見えている自分たちの方が正解に近いと思うから」と、こだわりなどは一切なく、お客様の好意はすべてありがたく受け入れているとのこと。

オリジナルイラストが書かれたマグは、お客様が描いたイラストを、別のお客様がプリントしてくれたそう。

こちらもお客様からのプレゼント。クレープの紙を加工して作られています
お客様が縁を繋げてくれたという、クリエイティブユニット『ツペラツペラ』がデザインしたクレープ紙の原画切り絵
建物2階は井村正美さんというパティシエールのお菓子工房で、ブラウニーやデコレーションいちごを依頼しているそう。時折、店内の手動滑車で納品されます

「僕ら、ラッキーで生きてきたんですよ(笑)」と笑う原田さん。確かに話を聞けば聞くほど「HAHAHA CREPE」は”お客様”と”ラッキー”に恵まれているように思えます。しかし実際に会って話をすると「いつも明るく笑っていること」が”お客様”と”ラッキー”を引き寄せているのだと感じました。運も実力の内。笑う門には福来る。そんなことわざを体現する神戸の「HAHAHA CREPE」、ぜひ一度足を運んでみてください。

About Shop
HAHAHA CREPE
兵庫県神戸市中央区旭通2-2-7
営業時間:12:00〜18:30
定休日:不定休

あかざしょうこ

ウフ。編集スタッフ

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関西方面のスイーツ担当。1984年生まれ、大阪育ちのコピーライター。二児の母。焼き菓子全般が好き。特に粉糖を使ったお菓子が好きです。

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