SL蒸気機関車が望めるところも 気軽に本格旅行気分を味わえる全国に約150か所「温泉併設の道の駅」5選

静岡・道の駅川根温泉では大井川鐵道のSL蒸気機関車を望むことができる (photoAC)

道の駅の魅力のひとつは、その土地の温泉に入れること。現在、温泉や入浴施設を併設した道の駅は、全国に約150か所あるというが、その中から、今回は5選を紹介しよう。

温泉部門の1つ目は、『氷見温泉郷 総湯』(富山県・ひみ漁港場外市場ひみ番屋街)。『マツコの知らない世界』(TBS系)で“道の駅の世界”の回に出演した、旅ライダーの平賀由希子氏は、次のように語る。

「源泉掛け流しの天然温泉で、血液循環を良くする塩化物泉なので、肩凝り解消など、ドライブの疲れを癒やすのにはピッタリ。また、温泉施設とは別に、道の駅内に足湯が設けられていて、その足湯からは、富山湾越しにそびえる立山連峰や、氷見市沖に浮かぶ唐島が一望できます」

そして、絶景と温泉を楽しんだ後は、氷見の名物に舌鼓を打つことも。

「富山湾で獲れた新鮮な魚介類を使った回転寿司や、氷見牛のステーキ丼、氷見カレーなどの専門店が並ぶレストラン街があります。温泉と食事の両方を楽しめるので、ドライブの休憩はもちろん、旅行の目的地にも、ばっちりな道の駅です」(同)

2つ目は、『浅虫温泉』(青森県・道の駅ゆ〜さ浅虫)。平安時代に発見された由緒ある温泉で、“麻を蒸すため”に使われていたのが転じて、現在のような温泉名になったという。

「道の駅は5階建てになっていて、その最上階に、陸奥湾を見下ろす、展望風呂があります。早朝から営業しているので、北海道から深夜便で青森に渡ってきた人にも便利。入浴料が大人360円と格安なのも、嬉しいところ」(道の駅キュレーターの守屋之克氏)

■観光地に行きやすい便利な立地も

また、浅虫温泉は、夏泊半島の基部に位置し、“東北の熱海”とも称される人気の観光地。海釣りなども盛んなので、夏にこそ訪れてほしいという。

3つ目は、『椿はなの湯』(和歌山県・道の駅椿はなの湯)。

「椿温泉は、江戸時代から続く湯治場で、世界遺産の熊野古道を訪れた旅人も、疲れを癒やしに立ち寄ったという歴史を持っています。道の駅内の入浴施設には、源泉掛け流しの檜風呂があり、柔らかい肌触りの湯で、じんわりと疲れを癒やしてくれました」(前出の平賀氏)

この道の駅白浜町つばき温泉があるのは、紀州半島の南端。熊野古道へのアクセスはもちろん、その他、有名観光地にも行くことができる、非常に便利な立地だという。

「本州最南端の町で、クロマグロの養殖で有名な串本町や、紀州半島を代表するリゾート地で、日本三古湯に数えられる白浜温泉に行くついでに、椿温泉に立ち寄るのもよいですね。椿温泉自体は静かな海沿いの町なので、どちらかというとのんびりと過ごしたい人に向いています」(同)

4つ目は、『御前湯』(大分県・道の駅ながゆ温泉)。

「長湯温泉は、大分県別府市から車で約1時間のところにある山間の温泉地で、標高450メートルなので夏も涼しく、清流を飛び交うホタルが見られたりと、山湯ならではの情緒で人気を博しています」(夕刊紙記者)

種田山頭火や北原白秋などの文人墨客も足を運んだという、長湯温泉。そのシンボルとも言えるのが、道の駅に併設された共同浴場の御前湯だ。

■24時間入浴自由の混浴露天風呂も

「立派な洋館調の建物なので、一見の価値あり! また、泉質は別名炭酸泉とも呼ばれる炭酸水素塩泉で、血行を促し、体を芯から温めてくれます。炭酸ガスが湯に完全に溶けているので、シュワシュワとした肌触りはありませんが、ぬるま湯なのにジワジワと体が温まる、不思議な感覚が味わえます」(前出の守屋氏)

この道の駅周辺は他にも、見どころはたくさん。

「温泉街の中心を流れる芹川の河原には、24時間入浴自由の混浴露天風呂“ガニ湯”がありますし、施設によっては温泉を飲む“飲泉”もできます。また、天然炭酸泉を利用して作った“温泉糖”も買えるので、いろんな楽しみ方があります」(前出の平賀氏)

最後、5つ目は、『川根温泉ふれあいの泉』(静岡県・道の駅川根温泉)。

「この温泉の最大の魅力は、大井川鐵道のSL蒸気機関車が走る姿を望む、展望露天風呂があること! 通常12時半と15時半頃に見ることができ、その時間帯は、全国から温泉ファンや鉄道ファンが訪れます」(前同)

温泉とSLを楽しんだ後は、道の駅内にある食堂で、温泉水からとった塩“かわねのごえん”を使った、“幻の塩ラーメン”を食べるのが、常連の中で定番の流れなんだとか。また、道の駅の目の前の大井川流域は、夏のアウトドアスポットとしても人気で、

「道の駅にコテージが併設されていて、そこでも天然温泉に入ることができます。川根温泉は湯量が豊富なので、多くの湯船が、ぜいたくな源泉掛け流し。良質な塩化物泉で、湯冷めのしにくい“熱の湯”と呼ばれていて、満足感が高いです」(前出の守屋氏)

全国の道の駅に併設された温泉で疲れを癒していただきたい。

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